AiNERGY株式会社が2024年7月26日に、自家消費型太陽光発電の概算シミュレーションサービス「REKOBOSHIライト」を無料でリリースした。このツールは、EPC事業者と需要家双方に向けて設計され、わずか3分程度の情報入力で太陽光発電導入による経済効果やCO2削減量を簡単に算出できる。
自家消費型太陽光発電の導入検討を効率化
自家消費型太陽光発電の需要が高まる中、その導入効果を把握することが難しく、初期検討に時間がかかるという課題があった。REKOBOSHIライトは、この問題を解決し、太陽光発電導入の検討プロセスを大幅に効率化する。
EPC事業者にとっては、顧客との初期折衝時に迅速な概算提案が可能となり、成約率の向上が期待できる。一方、需要家にとっては、太陽光発電導入による具体的なメリットを簡単に把握でき、導入検討の第一歩を踏み出しやすくなるだろう。
使いやすさと信頼性を兼ね備えたツール
REKOBOSHIライトの特徴として、簡単な情報入力で迅速なシミュレーションが可能なことが挙げられる。NEDOデータベースを活用した発電量予測など、信頼性の高いデータに基づく計算を行うため、精度の高い結果が得られる。
使いやすいインターフェースも特筆すべき点だ。経済効果を3パターンでシミュレーションし、年間の電気代削減額をグラフで表示するなど、視覚的にわかりやすい結果を提供する。また、月別のCO2削減量の可視化や初期費用回収期間の表示など、多角的な観点から導入効果を検討できる。
再生可能エネルギー普及への貢献
AiNERGY株式会社は、再生可能エネルギーの普及を通じて持続可能な社会の実現を目指している。REKOBOSHIライトの提供は、この理念に基づいた取り組みの一環と言える。
同社は東日本大震災の翌年に設立され、雪国における太陽光発電の実証実験を重ね、400件を超える導入実績を持つ。この経験と知見が、REKOBOSHIライトの開発に活かされているのだろう。
地域に根ざした再エネ普及の取り組み
REKOBOSHIという名称には、再エネを示す「re」と、会津若松の民芸品「起き上がり小法師」が組み合わされている。この命名には、再エネ普及に仕え、裏方として太陽光発電導入やEPC事業を支えるサービスになるという思いが込められている。
AiNERGYという社名にも、「再生可能エネルギーの事業を通して、他を思いやる『愛』のある社会を地元『会津』から実現する」という意味が込められており、地域に根ざした再エネ普及への強い意志が感じられる。
今後の展開と期待される効果
REKOBOSHIライトの提供により、自家消費型太陽光発電の普及が加速することが期待される。企業の脱炭素化と電気代削減の両立を支援するこのツールは、今後のエネルギー転換において重要な役割を果たすだろう。
無料で利用できる点も、普及を後押しする要因となるだろう。初期検討のハードルを下げることで、より多くの企業が太陽光発電の導入を検討するきっかけとなる可能性がある。
エネルギー専門家の間では、このような簡易シミュレーションツールの普及が、再生可能エネルギーの導入を加速させる重要な要素になるとの見方がある。REKOBOSHIライトが、その先駆けとなることが期待される。