DNP、Resilireのクラウドサービスで次世代サプライチェーン構築へ

    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000044535.html)より
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    大日本印刷がサプライチェーンリスク管理に新たな一手

    大日本印刷株式会社(DNP)が、株式会社Resilireが提供するサプライチェーンリスク管理クラウドサービス「Resilire(レジリア)」を導入した。この動きは、昨今の自然災害の増加や地政学的リスクの高まりを背景に、サプライチェーンの強靭化を図るDNPの戦略的判断を示している。

    DNPは、Resilireの導入により、サプライチェーン全体のリスクを常時監視し、災害等の不測の事態にも迅速に対応できる体制の構築を目指している。この取り組みは、DNPの事業継続性を高めるだけでなく、顧客企業や生活者の日常生活の維持・発展にも寄与すると期待されている。

    Resilireがもたらすサプライチェーンの可視化

    Resilireの特徴は、そのデータベース機能にある。DNPは、まず社内のサプライチェーンデータを整備し、その後段階的にサプライヤーとのデータ連携を強化していく計画だ。このプロセスを通じて、サプライチェーン上の潜在的なリスクを可視化し、予防措置を講じることが可能となる。

    さらに、災害や地政学的リスクが顕在化した際には、サプライヤー間での状況把握を効率化できる。これにより、DNPは迅速な意思決定と対応が可能となり、サプライチェーン全体の強靭性が向上すると考えられる。

    トレーサビリティの向上とリスク低減への取り組み

    DNPの取り組みは、自社のリスク管理にとどまらない。サプライヤーを巻き込んだ形で、サプライチェーン全体のトレーサビリティ向上とリスク低減を目指している点が注目される。

    この包括的なアプローチにより、DNPは単なるリスク回避だけでなく、サプライチェーン全体の最適化と効率化を図ることができると考えられる。サプライヤーとの協力関係を深めることで、業界全体の競争力向上にもつながる可能性がある。

    サステナビリティへの展開

    DNPは将来的に、Resilireを活用したサステナビリティ関連のデータ連携も視野に入れている。具体的には、人権デューデリジェンス、GHG排出量、紛争鉱物調査などのデータ管理を想定している。

    この取り組みは、昨今のESG投資の拡大や、企業の社会的責任に対する関心の高まりを考慮すると、非常に時宜を得たものと言える。DNPがサプライチェーンリスク管理とサステナビリティを統合的に推進することで、企業価値の向上と社会的課題の解決を同時に達成できる可能性がある。

    業界への影響と今後の展望

    DNPによるResilaireの導入は、印刷業界全体にも大きな影響を与える可能性がある。サプライチェーンリスク管理の重要性が認識される中、他社も同様のシステム導入を検討する動きが加速する可能性がある。

    また、このような取り組みが業界標準となれば、サプライヤーにとっても対応が必須となり、結果としてサプライチェーン全体の透明性と強靭性が向上すると考えられる。

    Resilireが目指すサプライチェーンのアップデート

    Resilireを開発・提供する株式会社Resilireは、「データでサプライチェーンをアップデートする」というミッションを掲げている。多くの製造業で課題となっているサプライチェーンのブラックボックス化に対し、クラウドサービスによる可視化を進めることで解決を図っている。

    DNPのような大手企業による導入は、Resilireの技術と価値提案が業界に認められた証左と言える。今後、同社のサービスがさらに多くの企業に採用され、日本のサプライチェーン管理の高度化に貢献することが期待される。

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