POS+が6月の飲食店売上104.3%増、キャッシュレス決済も拡大傾向

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    画像:POS+(ポスタス)(www.postas.co.jp/)より

    ポスタス株式会社が運営するクラウド型モバイルPOSレジ「POS+」の集計データによると、2024年6月の飲食店売上が前年同月比104.3%と好調な伸びを示した。全国的なキャッシュレス決済の浸透も進んでおり、飲食業界全体の回復傾向が鮮明になってきている。

    目次

    売上増加の背景と地域別の動向

    6月の売上伸長率は前月から3.1ポイント増加し、104.3%となった。この数字は、飲食業界が着実に回復軌道に乗っていることを示唆している。特筆すべきは、関東地方、中部地方、近畿地方で前年対比100%を上回る結果となったことだ。

    一方で、地方平均の売上伸長率は99.8%と、前月から2.2ポイント減少している。この地域間格差は、都市部と地方の経済回復速度の違いを反映していると考えられる。都市部では企業活動の活発化やインバウンド需要の回復が売上増加に寄与している可能性が高い。

    業態別の売上動向分析

    業態別の売上動向を見ると、専門料理店やファミリーレストランなどの幅広いカテゴリーで回復傾向が見られる。特に、高級店や特色のある専門店の売上が好調だ。これらの店舗は、コロナ禍で抑制されていた消費者の外食ニーズを上手く取り込んでいると推測される。

    また、テイクアウトやデリバリーサービスを強化した店舗も好調を維持している。消費者の生活様式の変化に合わせたビジネスモデルの適応が、売上増加に結びついているのだろう。

    キャッシュレス決済の急速な普及

    キャッシュレス決済の普及も目覚ましい。全国のキャッシュレス決済比率は48.8%に達し、前月から0.5ポイント増加した。すべての地域でキャッシュレス比率が30%を超えており、日本社会全体でキャッシュレス化が進んでいることが分かる。

    業態別キャッシュレス決済の傾向

    業態別に見ると、すべての業態でキャッシュレス比率が35%以上となっている。特に注目すべきは、持ち帰り専門店でのコード決済比率が13.9%に達していることだ。これは、スマートフォン決済の利便性が消費者に浸透していることを示している。

    寿司、その他西洋料理、鉄板料理、フランス料理、しゃぶしゃぶなどの専門料理店では、キャッシュレス比率が60%を超えている。高単価の料理を提供する店舗ほど、キャッシュレス決済の利用率が高い傾向にあるようだ。

    決済方法の多様化と今後の展望

    キャッシュレス決済の内訳を見ると、クレジットカードが78.9%、コード決済が15.3%となっている。コード決済の比率は前月比で増加しており、特にラーメン店や持ち帰り販売、サラダ専門店では40%を超える高い比率を示している。

    この傾向は、消費者の決済手段の選択肢が広がっていることを示唆している。店舗側も、多様な決済手段に対応することで、顧客の利便性向上と売上増加を図っていると考えられる。

    飲食業界のデジタル化加速

    POS+などのクラウド型POSレジの普及は、飲食店のデジタル化を加速させている。これらのシステムは、売上データの分析や在庫管理の効率化など、経営の合理化にも貢献している。

    今後は、AIを活用した需要予測や、デジタルマーケティングの導入など、さらなる技術革新が期待される。これらの取り組みが、飲食業界全体の生産性向上と顧客満足度の向上につながっていくだろう。

    まとめ

    2024年6月の飲食店売上データは、業界全体の回復基調を裏付けるものとなった。キャッシュレス決済の普及と相まって、飲食店の経営環境は着実に改善している。

    しかし、地域間や業態間の格差は依然として存在しており、今後はこれらの格差解消に向けた取り組みが求められる。また、デジタル技術の活用やサービスの多様化など、変化する消費者ニーズに柔軟に対応していくことが、飲食店の持続的な成長につながるだろう。

    POS+のようなデジタルツールの活用は、こうした課題解決の一助となる可能性を秘めている。今後も、飲食業界のデジタル化と経営の効率化が進むことで、より魅力的な外食産業の発展が期待される。

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