最新アップデートで詐欺サイト対策を大幅強化
BBソフトサービス株式会社は2024年10月3日、自社製品「詐欺ウォール」のAI検知エンジンを大幅にアップデートした。ネット詐欺被害の急増に対応するため、AI技術を活用してセキュリティ対策を強化している。アップデート後の検知数は従来の1.7倍に増加すると見込まれており、ユーザーの安全性向上が期待される。
「詐欺ウォール」とは何か
「詐欺ウォール」は、BBソフトサービスが開発したネット詐欺専用セキュリティソフトである。ウェブサイトにアクセスする際、瞬時に対象サイトを検査し、詐欺サイトと判断した場合に警告画面を表示する。トリプル検知エンジンを搭載しており、AI検知エンジン、ヒューリスティック検知エンジン、ブラックリスト検知エンジンを組み合わせて高精度な検知を実現している。
急増する偽警告詐欺とワンクリック詐欺
近年、偽警告詐欺によるネット詐欺被害が急増している。偽警告詐欺は、「ウイルスが見つかりました」などの偽の警告メッセージを表示し、ユーザーを騙して偽セキュリティソフトをダウンロードさせたり、架空のウイルス駆除費用を請求したりする手口だ。多くの被害者は、偽の警告画面の対処方法がわからず、指示に従ってしまうケースが多い。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の報告によると、2023年は「偽警告詐欺」(サポート詐欺)に関する相談が特に急増している。また、2005年に初めて検挙された「ワンクリック詐欺」も依然として根強く存在し、IPAへの相談件数は増加傾向にある。
ワンクリック詐欺の巧妙な手口
ワンクリック詐欺は、ユーザーがサイトをクリックしただけで有料サービスに登録されたように見せかけ、不当に金銭を要求する手法だ。「自分でクリックしてしまった」という罪悪感や、「請求は支払わなければならない」という日本人特有の心理を巧みに利用している。BBソフトサービスの詐欺ウォール企画部によると、ワンクリック詐欺サイトへのアクセスを多数ブロックしており、被害の深刻さが浮き彫りになっている。
AI検知エンジンアップデートの詳細
今回のアップデートでは、市場の脅威トレンドに合わせてAI検知エンジンの精度を大幅に向上させた。特に偽警告詐欺やワンクリック詐欺に対して、より効率的かつ効果的な検知が可能になった。BBソフトサービスは、アップデート後の検知数が従来の1.7倍に増加すると予測している。
BBソフトサービスの取り組みと今後の展望
BBソフトサービスは、ソフトバンクグループの一員として、セキュリティ製品を主軸とするソフトウェアサービスを提供している。ISPや携帯電話会社などの通信事業者を通じてサービスを展開しており、単なる製品提供にとどまらず、フィッシング対策協議会やその他の社外団体を通じて情報セキュリティに関する啓発活動にも力を入れている。
社会貢献への意欲
BBソフトサービスの詐欺ウォール企画部は、「ネットの脅威は日々変化しており、その脅威に応じて検知エンジンの適正化を図っている」と述べている。今回のAIを活用した検知エンジンのアップデートにより、偽警告詐欺やワンクリック詐欺に対してより効果的に対応できるようになった。同社は、「ネット詐欺被害に遭われる方を一人でも救済できるよう、今後も製品強化に努めていく」と意気込みを示している。
ネット詐欺対策の重要性と個人の意識向上
ネット詐欺の手口は巧妙化しており、技術的な対策だけでなく、ユーザー自身の意識向上も重要だ。BBソフトサービスの取り組みは、技術面でのサポートを提供すると同時に、啓発活動を通じて個人の意識改革にも貢献している。今後は、AI技術のさらなる進化と、ユーザーの情報リテラシー向上の相乗効果により、より安全なインターネット環境の実現が期待される。