大学生の理想年収500-600万円、ペンマーク調査で貯金・投資重視の傾向が明らかに

    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000066.000047449.html)より
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    現実的な将来設計を示す大学生の年収観

    株式会社ペンマークが全国の現役大学生を対象に実施した理想の年収に関するアンケート調査の結果が公表された。調査結果から、大学生たちが将来の生活設計を現実的かつ具体的にイメージしていることが明らかになった。

    調査によると、30歳までの理想の年収として最も多かった回答は「500万円〜600万円未満」で21.7%を占めた。次いで「400万円〜500万円未満」が17.7%、「600万円〜700万円未満」が15.0%と続いた。一方、最低限ほしい年収については「400万円〜500万円未満」が23.6%、「300万円〜400万円未満」が23.1%、「500万円〜600万円未満」が19.5%となった。

    注目すべき点は、30歳までの理想の年収と最低限ほしい年収の差がわずか100万〜200万円程度にとどまっていることだ。大学生たちが理想と現実のバランスを考慮した現実的な年収観を持っていることがうかがえる。

    SNSが影響する生活水準の可視化

    調査結果から浮かび上がってきたのは、SNSの普及が大学生の年収観に大きな影響を与えていることだ。これまで両親や身近な人の収入による生活からしか想像できなかった年収別の暮らしぶりが、SNSを通じて具体的に見えるようになった。

    ある回答者は「理想を追い求めるというよりも、SNSで見た生活水準を実現するために、現実的にこれくらいの年収があれば十分だと感じた」とコメントしている。また、別の回答者は「共働きを想定して、現在の一人暮らしの生活費から逆算した」と述べており、現実的な視点から理想の年収を設定していることがわかる。

    SNSによる情報の影響力

    SNSの普及により、大学生たちは様々な年収層の生活スタイルや消費傾向を日常的に目にするようになった。この情報の可視化が、彼らの年収観や将来設計に大きな影響を与えていると考えられる。従来は漠然としていた「理想の年収」が、SNSを通じて具体的なイメージと結びつくようになったのだ。

    貯金と投資を重視する大学生たち

    調査では「年収が1,000万円あった場合、何に優先的に使いたいですか?」という質問も行われた。最も多かった回答は「貯金」で50.9%、次いで「投資」が41.4%を占めた。

    「貯金」と「投資」がトップ2に挙がったことから、大学生たちが「旅行」「食」「服飾」「美容」といった消費を後回しにし、将来の経済的安定を非常に重視していることが明らかになった。この傾向は、不安定な経済環境や将来の不確実性に対する慎重な姿勢を反映していると考えられる。

    金融教育の影響

    2022年に始まった高校での金融教育義務化の影響も無視できない。ペンマークが昨年実施した高校生13万人を対象とした調査では、半数以上の高校生が「投資に興味がある」と回答している。この結果からも、Z世代が長期的な人生設計において、経済的な安定を求めていることが示唆される。

    大学生の経済観から見える社会の変化

    今回の調査結果は、単に大学生の年収観を示すだけでなく、現代社会の変化を反映したものとも言える。SNSの普及による情報の可視化、経済的不確実性の高まり、金融教育の浸透など、様々な要因が複合的に作用し、大学生たちの経済観を形成していると考えられる。

    従来の「理想=夢」に近かった年収観が、「理想≒実現可能な目標」という感覚に変化しているのは、社会全体の変化を反映したものだろう。大学生たちは、より現実的かつ具体的な将来設計を行うようになっているのだ。

    ペンマークの取り組みと今後の展望

    株式会社ペンマークは「学生の一生を豊かにする」ことをミッションに掲げ、大学生向け学習管理SNS「Penmark」を開発・提供している。今回の調査結果を踏まえ、ペンマークは大学生たちの経済観や将来設計に関するさらなる支援を行っていく可能性がある。

    大学生たちの現実的な経済観や将来設計への関心は、彼らが社会に出た後の行動にも大きな影響を与えるだろう。企業や社会は、この新しい世代の価値観や行動様式を理解し、適切に対応していく必要がある。

    今回の調査結果は、Z世代の特徴を明らかにするとともに、今後の社会や経済の動向を予測する上で重要な示唆を与えるものとなった。大学生たちの現実的かつ慎重な経済観は、将来の日本社会のあり方にも大きな影響を与える可能性がある。今後も、彼らの価値観や行動の変化に注目していく必要があるだろう。

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