カミナシが13言語対応の革新的従業員管理システムを発表、39社が先行導入

    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000054269.html)より

    株式会社カミナシが新サービス「カミナシ 従業員」を発表した。多言語対応と使いやすさを特徴とする本システムは、現場の生産性向上と外国人材の定着率向上を目指している。製造業や飲食業など39社が既に導入を決定しており、現場DXの新たな潮流を生み出す可能性がある。

    目次

    外国人材の流動性に対応する新システム

    育成就労制度の創設により、外国人労働者の転籍がより容易になることが予想される。このような状況下で、現場では従業員の早期戦力化や定着率向上が喫緊の課題となっている。カミナシが開発した「カミナシ 従業員」は、まさにこの課題に対応するシステムだ。

    現場管理者や総務部門は、従来「紙」や「口頭」での情報伝達に頼らざるを得ず、非効率な状況に置かれていた。特に、外国人従業員とのコミュニケーションには言語の壁が存在し、情報伝達に時間と労力を要していた。「カミナシ 従業員」は、このような現状を打破し、効率的な従業員管理を実現する可能性を秘めている。

    「カミナシ 従業員」の革新的機能

    「カミナシ 従業員」は、現場の課題を解決するために設計された革新的な機能を多数搭載している。これらの機能は、従業員管理の効率化だけでなく、外国人材を含む多様な従業員とのコミュニケーションを円滑にすることを目的としている。以下に、本システムの主要な特徴を詳しく見ていく。

    一元化された情報管理

    「カミナシ 従業員」の最大の特徴は、現場管理者・総務部門と従業員間のあらゆる情報のやりとりを1つのサービス上で完結できる点だ。業務連絡の一斉配信や既読管理、外国人従業員への生活面サポートのための連絡など、多岐にわたる機能を提供する。

    従業員側も、管理者や他の従業員、総務部門に向けて業務報告やシフトの交換依頼などを行うことができる。このような双方向のコミュニケーションが可能になることで、現場の円滑な運営が期待できる。

    情報の一元管理により、従来の紙ベースや口頭での伝達に比べ、情報の漏れや齟齬を大幅に減らすことができる。また、リアルタイムでの情報共有が可能になることで、迅速な意思決定や対応が可能になると考えられる。

    メールアドレス不要の利便性

    「カミナシ 従業員」は、従業員のメールアドレスを必要としない。システム専用のIDとパスワードが発行されるため、メールアドレスが付与されていないパートタイマーやアルバイトを含む、全ての雇用形態の現場従業員が利用可能だ。

    この特徴により、従来のツール導入時に発生していた問題、例えば一部の従業員のみがツールを使用できる状況や、使用頻度の低さによるIDやパスワード忘れの問い合わせ頻発などを回避できる可能性がある。

    メールアドレス不要の仕組みは、特に現場作業が中心の業種や、ITリテラシーが比較的低い従業員が多い環境において、大きな利点となるだろう。システムの導入障壁を下げ、幅広い従業員層での利用を促進することが期待できる。

    13言語対応の多言語翻訳機能

    「カミナシ 従業員」は、13言語に対応した多言語翻訳機能を搭載している。日本で働く外国人材の母国語として特に多い13言語をカバーすることで、さまざまな国籍の従業員とのコミュニケーションを円滑にすることができる。

    さらに、AIを活用した「AI校正機能」の搭載も予定されている。この機能により、文章を翻訳しやすい形式に整えることができ、翻訳の精度向上が期待できる。

    多言語対応機能は、増加する外国人労働者との効果的なコミュニケーションを実現する上で、極めて重要な役割を果たすだろう。言語の壁を取り除くことで、外国人従業員の能力をより効果的に活用し、職場の多様性を促進することにつながる可能性がある。

    導入企業の期待と展望

    「カミナシ 従業員」の導入を決定した企業からは、高い期待の声が上がっている。これらの企業の反応から、本システムが現場の課題解決にどのように貢献するかを具体的に理解することができる。

    外国人従業員とのコミュニケーション改善

    井筒まい泉株式会社の生産総務部部長、橋本隆氏は、「カミナシ 従業員」の導入により、外国人従業員との円滑なコミュニケーションが実現されることを期待している。従来は、重要な連絡事項を伝える際に登録支援団体や監理団体を介する必要があったが、本システムにより直接的かつリアルタイムのコミュニケーションが可能になる。

    橋本氏は、このシステムが外国人従業員一人ひとりに寄り添い、働きやすい環境を作る上で大きな役割を果たすと考えている。言語の壁を越えて気軽に相談・連絡できる環境が整備されることで、外国人従業員の定着率向上にもつながると期待されている。

    働きやすい環境づくりと人材確保

    有限会社吉清の総務部部長、牧野新治氏は、「カミナシ 従業員」を「選ばれ続ける企業となる武器」として捉えている。地方企業や人材不足が深刻な業種において、従業員が働きやすい環境を作ることは企業の継続的な活動に不可欠だ。本システムにより、外国人従業員と日本人従業員の間のコミュニケーションがスムーズになることで、働きやすい環境構築につながることが期待されている。

    牧野氏は、このシステムが単なるコミュニケーションツールではなく、企業の競争力を高める戦略的なツールになると考えている。特に、地方企業にとって、優秀な人材を確保し定着させることは重要な課題であり、「カミナシ 従業員」がその解決に貢献すると期待されている。

    今後の展開と市場への影響

    カミナシは、2026年7月までに「カミナシ 従業員」のユーザー数10万人を目指している。機能開発を推進し、現場従業員の入社から退社までの各シーンにおけるマネジメントの非効率を解消していく方針だ。

    本システムの普及により、現場DXが加速する可能性がある。特に、多様な雇用形態・勤務形態や多国籍な従業員が多く在籍する業界において、その効果が顕著に現れると予想される。

    製造業・飲食業・介護・ビルメンテナンス・バス・タクシー業界など、既に39社が先行導入を決定している。この動きは、他の企業にも波及し、現場のデジタル化と効率化が進むことで、日本の労働生産性向上に寄与する可能性がある。

    「カミナシ 従業員」の登場は、現場管理のパラダイムシフトを引き起こす可能性を秘めている。多言語対応と使いやすさを兼ね備えたこのシステムが、日本の労働環境にどのような変革をもたらすか、今後の展開が注目される。

    さらに、このシステムの普及は、日本の労働市場全体に影響を与える可能性がある。外国人労働者の受け入れがスムーズになることで、労働力不足に悩む多くの業界に新たな可能性をもたらすかもしれない。同時に、日本企業の国際競争力強化にも貢献する可能性がある。

    「カミナシ 従業員」の今後の発展と、それが日本の労働環境や経済に与える影響を注視していく必要があるだろう。

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