アイコム60周年記念トランシーバーIC-7760が登場、200W出力と革新的機能で注目を集める

    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000038597.html)より

    アイコム株式会社が創業60周年を記念して、新たなアマチュア無線用トランシーバーIC-7760を発表した。この高性能機は、200Wの高出力と革新的な機能を備え、アマチュア無線家たちの注目を集めている。2024年8月末の発売を控え、その特徴と市場への影響について詳しく見ていく。

    目次

    IC-7760の革新的な設計と機能

    IC-7760は、従来のトランシーバーの概念を覆す斬新な設計を採用している。コントローラーとRFデッキを分離したツーピース構成を取り入れ、設置の自由度を大幅に向上させた。この構成により、ユーザーは自身の操作環境に合わせて最適な配置が可能となる。

    付属のコントローラケーブルは3mだが、市販のLANケーブル(CAT5e以上、長さ100m以下)を使用することで、さらに離れた場所にRFデッキを設置することができる。アマチュア無線機器の設置に悩んでいたユーザーにとって、この柔軟性は大きな魅力となるだろう。

    宅内リモート運用の実現

    IC-7760の特筆すべき機能の一つに、宅内LAN(有線)を利用したリモート運用がある。パソコンを介さずに、LAN接続が可能な場所であれば宅内のどこからでも運用できる。この機能は、特に広い家や複数階建ての住居でアンテナを設置している場合に便利だ。操作場所の制約から解放されることで、より快適な無線運用環境を構築できる。

    高度な表示機能と操作性

    IC-7760は、2つのタッチ操作対応ディスプレイを搭載している。7インチのメインディスプレイには、MAIN/SUBの周波数や各種機能の設定、動作状況など、運用に必要な情報を集中表示する。一方、2.4インチのサブディスプレイは、フィルターエフェクト、マルチメーター、バンドスタッキングレジスターキーの表示に対応している。

    この2画面構成により、情報の視認性が大幅に向上し、より直感的で効率的な操作が可能となる。複雑な設定や頻繁な周波数変更を行う際にも、ストレスなく操作できるのがIC-7760の強みだ。

    高度な受信性能

    IC-7760は、DIGI-SEL(オートマチックプリセレクター)とプリアンプの同時使用を実現した。帯域外の強信号による妨害や抑圧防止と受信感度の向上を両立させることで、クリアな受信を可能にしている。さらに、A/Dコンバーターのダイナミックレンジを最大限活用しつつ、帯域外の不要な信号を低減する技術を採用。オーバーフローの回避にも威力を発揮し、安定した受信性能を提供する。

    高出力と優れた送信品質

    IC-7760の大きな特徴の一つが、200Wという高出力だ。この出力レベルは、アマチュア無線機としてはトップクラスの性能を誇る。さらに注目すべきは、DPD(デジタル・プリディストーション)技術の採用により、優れた相互変調歪み特性とクリーンな送信波を実現している点だ。

    高出力でありながら、信号の品質を損なわないのがIC-7760の強みだ。コンテストやDXハンティングなど、厳しい条件下での運用においても、安定した通信を維持できる。AC100V入力(周囲温度25℃)で200W出力、1時間連続送信が可能という仕様は、長時間の運用を必要とするユーザーにとって魅力的だろう。

    革新的な技術の採用

    IC-7760は、RFダイレクト・サンプリング方式のデバイスを厳選し、プログラムを最適化することで、高い性能を実現している。この技術により、従来のスーパーヘテロダイン方式に比べて、より高い周波数安定性と低ノイズ特性を達成している。

    市場への影響と今後の展望

    IC-7760の発売は、アマチュア無線機市場に大きな影響を与えると予想される。200Wの高出力、革新的な設計、高度な機能を備えたこの製品は、ハイエンド市場での新たな基準となる可能性がある。

    価格は877,800円(税込)と、決して安価ではないが、その性能と機能を考慮すれば、熱心なアマチュア無線家にとっては魅力的な選択肢となるだろう。また、アイコムの60周年を記念して、初回出荷から60台までの特典として、アイコム60周年ロゴ入りプレートが同梱されることも、コレクター心をくすぐる要素となっている。

    競合他社の動向

    IC-7760の登場により、他のアマチュア無線機メーカーも新製品の開発や既存製品のアップグレードを加速させる可能性がある。特に、リモート運用機能やタッチスクリーン操作など、IC-7760が導入した革新的な機能は、今後の業界標準となる可能性が高い。

    まとめ

    アイコムのIC-7760は、アマチュア無線の世界に新たな風を吹き込む製品だ。高出力、革新的な設計、高度な機能を兼ね備え、ユーザーの運用環境を大きく改善する可能性を秘めている。2024年8月末の発売後、その実際の性能や使用感について、多くのユーザーからのフィードバックが期待される。アマチュア無線の未来を切り開く一歩として、IC-7760の動向から目が離せない。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    THEIT公式アカウント。日々の主要なITニュースを最速でお届けします。

    目次