NTTドコモの子会社である株式会社DearOneが、ECサイトの分析サービスを新たに開始した。世界No.1のユーザー行動分析ツール「Amplitude」を活用し、ECビジネスの主要KPIを向上させるための先行指標の発見と、サービス改善に向けた示唆を提供する。この新サービスは、ECサイト運営者にとって貴重な洞察を提供し、売上向上と顧客ロイヤルティの強化を支援するものと期待されている。
ECスポット分析サービスの概要
DearOneが提供する新しいECスポット分析サービスは、ECサイトの運営者が直面する様々な課題に対応するために設計されている。このサービスでは、アクセス解析データと顧客・購買データを紐付けることで、ユーザーの行動を詳細に分析する。その結果、新規顧客の獲得から既存顧客のロイヤル化まで、ECビジネスの各段階における改善点を明確にすることが可能となる。
DearOneのデータアナリストチームが、Amplitudeを使用してデータを分析し、クライアントに対して具体的な改善策を提案する。このアプローチにより、ECサイト運営者は専門的な知識がなくても、データに基づいた戦略的な意思決定を行うことができるようになる。
分析ユースケースの例
ECスポット分析サービスは、様々なユースケースに対応している。例えば、初回購入プロセスのボトルネック分析や、2回目の購買に至るユーザーの行動傾向の分析、ロイヤルユーザーの行動特徴や行動量の分析などが挙げられる。これらの分析を通じて、ECサイト運営者は顧客の行動パターンを深く理解し、効果的な施策を実施することが可能となる。
さらに、このサービスでは特定の機能やコンテンツが顧客のロイヤル化にどのように寄与しているかを明らかにすることもできる。また、どの施策がリテンションやLTV（顧客生涯価値）の向上に貢献しているかなど、ECビジネスの成長に直結する洞察を得ることができる。
Amplitudeの活用とその利点
Amplitudeは、IBM、Walmart、PayPalなど、世界3,000社以上の企業で導入されている実績のある行動分析ツールだ。このツールの特徴は、オンラインデータとオフラインデータを統合して分析できる点にある。例えば、アプリやWebサイトの利用データと、実店舗のPOSデータを組み合わせることで、オムニチャネルでの顧客行動を包括的に理解することが可能となる。
Amplitudeの強みは、データサイエンティストでなくても、マーケターやプロダクトマネージャーが直感的に操作できる点だ。豊富なチャートを標準搭載しており、複雑なデータ分析を短時間で行うことができる。このツールを活用することで、ECサイト運営者は迅速かつ効果的に顧客インサイトを得ることができ、競争力の向上につながるだろう。
DearOneの戦略と今後の展望
DearOneは、NTTドコモのマーケティング分野における新規事業型子会社として、デジタルマーケティングの最前線で活動している。同社は、スマートフォンアプリ開発の豊富な経験を基に、「ModuleApps2.0」や「ARUTANA」といった独自のプラットフォームを提供してきた。今回のECスポット分析サービスの開始は、同社のグロースマーケティング事業の強化を示すものと言える。
DearOneの河野恭久代表取締役社長は、「ECビジネスの成長を加速させるためには、データドリブンな意思決定が不可欠です。私たちのECスポット分析サービスは、クライアントのビジネスに真の価値をもたらす洞察を提供します」とコメントしている。
今後、DearOneはECスポット分析サービスの機能拡充や、他のマーケティングツールとの連携強化を進めていくと見られる。また、AIやマシンラーニングの技術を活用し、より高度な予測分析や自動化されたレコメンデーション機能の開発にも取り組む可能性がある。
ECビジネスの競争が激化する中、DearOneの新サービスは多くの企業にとって有力な選択肢となるだろう。データ分析の専門知識を持たない企業でも、高度な顧客分析と戦略立案が可能になることで、ECサイトの運営効率と収益性の向上が期待される。今後のDearOneの動向と、ECスポット分析サービスの進化に注目が集まる。
