世界最大のテレマティクス企業CMTが日本市場に本格参入、交通事故削減へ新たな一手

    CMT
    画像:PR TIMES(prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000145625.html)より

    世界最大のテレマティクス・サービス・プロバイダーであるケンブリッジ・モバイル・テレマティクス(CMT)が日本市場への本格参入を発表した。東京に新オフィスを開設し、日本の自動車保険業界や交通安全に革新をもたらす可能性が高まっている。

    目次

    日本の交通事故問題に挑むCMTの戦略

    CMTは既に日本の大手自動車保険会社2社とパートナーシップを結んでおり、テレマティクス技術を活用した革新的なプログラムを展開している。新たに開設された東京オフィスでは、ビジネスとテレマティクスの専門家チームが日本市場に特化したサービスとソリューションの提供を強化する。

    日本の交通事故の現状

    2023年の日本の交通事故死者数は2,678人と8年ぶりに増加に転じた。負傷者数や事故件数も増加傾向にあり、特に脇見運転による事故は1,400件を超えた。政府が掲げる2030年までに年間交通事故死者数を2,000人に削減するという目標達成が危ぶまれる状況となっている。

    CMTのテクノロジーがもたらす可能性

    CMTが提供するAI搭載のDriveWell Fusion®プラットフォームは、スマートフォンやタグソリューション、ドライブレコーダーなど様々なデバイスからデータを収集・分析し、パーソナライズされた情報を提供する。このテクノロジーにより、ドライバーの行動変容を促し、交通事故のリスクを大幅に低減できる可能性がある。

    CMTの日本市場戦略と展望

    CMTの共同設立者兼CEOであるウィリアム・V・パワーズは、東京を「東アジアで最初のオフィスを設置するのに理想的な場所」と評価している。日本の自動車保険業界や交通安全分野における革新の歴史を踏まえ、CMTは日本市場に最適化されたサービスの展開を目指している。

    日本向けカスタマイズプログラムの特徴

    CMTが日本市場向けに提供するプログラムは、ながらスマホ、急ブレーキ、速度超過、急ハンドルなどの危険運転行動の検知と分析、安全運転指導、事故検知とクレーム処理のデジタル化支援、リワードプログラム構築支援など、多岐にわたる。これらのサービスにより、ドライバーの安全意識向上と行動変容を促進し、交通事故削減に貢献することが期待される。

    既存パートナーとの成果

    CMTは既にあいおいニッセイ同和損害保険株式会社とのパートナーシップを通じて、日本の道路安全に貢献している。同社のテレマティクス・プログラムは190万人以上のドライバーが利用しており、衝突頻度を15%、衝突の重度を16%減少させる効果があったと報告されている。このような成果は、CMTのテクノロジーが日本の交通安全に大きな影響を与える可能性を示唆している。

    今後の展開と日本市場への期待

    CMTは2017年から日本市場でのパートナーシップを開始し、7年間にわたり日本の道路事情やドライバーの特性、法規制などを理解してきた。現在は3社の自動車保険会社とパートナーシップを結んでおり、今後もさらなる協力関係の拡大を目指している。

    多様な分野への展開

    自動車保険業界だけでなく、モビリティ企業やテクノロジー企業、地方自治体などとのパートナーシップも視野に入れている。安全運転支援プログラムやCO2削減チャレンジなど、日本独自の法規制や商習慣に合わせたテレマティクス技術の活用を提案していく予定だ。

    グローバルと日本の相互発展

    CMTは世界で培った技術とノウハウを日本市場に展開するだけでなく、日本で得た知見を世界に還元することも目指している。この双方向のアプローチにより、「世界の道路とドライバーをより安全にする」というミッションの実現に向けて取り組んでいく。

    CMTの日本市場への本格参入は、テレマティクス技術を活用した交通安全の革新をもたらす可能性を秘めている。日本の交通事故削減という課題に対し、新たなアプローチと解決策を提供することが期待される。今後のCMTの展開と、日本の交通安全への貢献に注目が集まっている。

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