中国人気決済「WeChat Pay」と「Alipay」、国内ECサイトへの導入が容易に DEGICAがKOMOJUで新サービス開始

    KOMOJU
    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000048583.html)より

    DEGICAが運営するデジタル決済プラットフォーム「KOMOJU(コモジュ)」が、越境EC市場に新たな風を吹き込む。2024年7月23日より、ebisumart(エビスマート)を利用するEC事業者向けに、中国の主要決済サービスであるWeChat PayとAlipayの導入を簡素化するサービスを開始した。この動きは、日本企業の海外展開戦略に大きな影響を与える可能性がある。

    目次

    越境EC市場の成長と新たな決済ニーズ

    近年、日本企業の海外展開においてECの重要性が増している。JETROの2023年度調査によると、ECを利用または検討している企業の53.6%が海外向け販売でECを活用または検討中だ。特に中小企業では越境ECの割合が高く、新たな市場開拓の手段として注目を集めている。

    このような背景のもと、DEGICAは中国市場へのアクセスを容易にする決済サービスの提供を開始した。WeChat PayとAlipayは中国で圧倒的なシェアを持つ決済手段であり、これらを導入することで日本のEC事業者は中国消費者の購買行動に寄り添ったサービスを提供できるようになる。

    WeChat PayとAlipayの特徴と市場影響力

    WeChat PayとAlipayは、単なる決済手段にとどまらず、中国のデジタル生活に深く根ざしたエコシステムを形成している。WeChat Payはテンセントが運営するメッセージングアプリWeChatに統合された決済サービスで、日常のコミュニケーションから支払いまでをシームレスに行える。一方、Alipayはアリババグループが提供するサービスで、オンラインショッピングを中心に幅広い決済シーンをカバーしている。

    これらのサービスを日本のECサイトに導入することで、中国人消費者にとっては馴染みのある決済方法で安心して購入できる環境が整う。結果として、カート放棄率の低下や購買コンバージョン率の向上が期待できる。

    KOMOJUによる決済導入の簡素化

    DEGICAのKOMOJUプラットフォームは、これまでも多様な決済手段を一括導入できるサービスとして知られてきた。今回のWeChat PayとAlipayの追加により、その価値提案はさらに強化される。

    KOMOJUの特徴として、以下の点が挙げられる:

    1. 初期費用と月額費用が無料
    2. 売上入金サイクルの選択が可能(週次または月次)
    3. 多言語対応のカスタマーサポート
    4. 主要ECプラットフォームとの連携やAPI導入のオプション

    これらの特徴により、特に中小企業にとっては海外展開のハードルが大きく下がる。技術的な負担を軽減しつつ、世界最大級の市場である中国へのアクセスを得られる点は、多くの事業者にとって魅力的だろう。

    ebismartとの連携がもたらす可能性

    今回のサービス開始は、クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」との連携によって実現した。ebismartは7年連続でシェアNo.1を誇るECサイト構築サービスで、カスタマイズ性の高さと運用のしやすさが特徴だ。

    ebismartを利用するEC事業者は、KOMOJUを通じてWeChat PayとAlipayを簡単に導入できるようになる。この連携により、以下のようなメリットが期待できる:

    1. 中国市場への迅速なアクセス
    2. 決済手段の多様化による顧客満足度の向上
    3. 技術的な障壁を低くすることによる、中小企業の海外展開支援
    4. オムニチャネル戦略の強化

    今後の展望と課題

    DEGICAのこの動きは、日本のEC業界に新たな可能性を開くものだ。しかし、決済手段の導入だけで海外展開が成功するわけではない。言語対応、物流、マーケティングなど、克服すべき課題は多い。

    また、中国市場特有の規制やビジネス慣行への対応も必要となる。DEGICAやebismartなどのプラットフォーム提供者が、これらの課題にどのようなソリューションを提供していくかも注目される。

    越境EC市場は今後も成長が見込まれる分野だ。WeChat PayとAlipayの導入簡素化は、その成長を後押しする一つの要因となるだろう。日本企業が世界市場で競争力を高めていくためには、このような技術革新を積極的に活用していくことが重要となる。

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