イタンジ、賃貸住宅管理の効率化へ「入居者管理くん」を発表、業務一元化で顧客満足度向上を狙う

    入居者管理くん
    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000273.000014691.html)より

    イタンジ株式会社が、賃貸住宅の入居中業務管理システム「入居者管理くん」を2024年7月より提供開始すると発表した。これは既存の「更新退去くん」を機能拡充し、名称変更したものだ。新システムは、入居中の様々な業務を一元管理することで、不動産管理会社の業務効率化と顧客サービスの向上を目指している。

    目次

    「入居者管理くん」の特徴と機能

    「入居者管理くん」の中核となるのは、拡張された「ワークフロー機能」だ。この機能により、入居者からの修繕依頼や問い合わせ対応、各種申請処理など、入居中に発生する多様な業務を一括管理できるようになる。

    システムの主な特徴として、以下の点が挙げられる:

    1. 入居者、オーナー、施工会社などとのコミュニケーションを一元管理
    2. 帳票の自動生成機能による書類作成の効率化
    3. 社内稟議プロセスの統合による意思決定の迅速化

    メール対応の効率化と標準化

    「入居者管理くん」は、見積書や請求書送付時のメール文章をテンプレート化し、ワークフローの進行に合わせて自動送信する機能を備えている。これにより、メール対応の属人化を防ぎ、一貫性のあるコミュニケーションを実現する。また、送信忘れのリスクも軽減できるため、顧客満足度の向上につながると期待される。

    書類作成業務の自動化

    システムに登録された入居者情報や物件情報を基に、請求書などの帳票を自動生成する機能も搭載されている。この機能により、書類作成にかかる時間と労力を大幅に削減できる。また、手作業による入力ミスのリスクも低減されるため、業務の正確性向上にも貢献するだろう。

    社内プロセスの効率化

    「入居者管理くん」は、社内の承認プロセスにも活用できる。管理権限の設定により、社内稟議をシステム上で完結させることが可能だ。これにより、決裁までの時間を短縮し、業務のスピードアップを図ることができる。

    賃貸不動産業界のDX推進

    イタンジ株式会社は、「テクノロジーで不動産取引をなめらかにする」というミッションの下、不動産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。「入居者管理くん」の導入は、この取り組みの一環として位置付けられる。

    同社の不動産会社向けSaaSサービスは、急速な成長を遂げており、2024年4月末時点でグループ全体の導入顧客数は3,795社に達している。また、年間経常収益(ARR)は39.8億円(前年比36%増)を記録するなど、市場での存在感を高めている。

    環境負荷低減への貢献

    イタンジのサービスによる電子入居申込数は年間約107万件、電子契約件数は年間約30万件に上るという。これらのペーパーレス化により、年間約1,135万枚の紙の削減を達成している。「入居者管理くん」の導入により、さらなる紙の使用量削減が期待される。

    今後の展開と業界への影響

    「入居者管理くん」の導入により、賃貸住宅管理業務の効率化が進むことで、不動産管理会社の生産性向上が期待される。また、入居者への迅速かつ正確な対応が可能になることで、顧客満足度の向上にもつながるだろう。

    賃貸不動産業界全体としては、こうしたDXの取り組みが広がることで、業界全体の効率化とサービス品質の向上が進むのではないかと考えられる。一方で、新しいシステムの導入に伴う従業員のスキルアップや、データセキュリティの強化など、新たな課題への対応も求められるだろう。

    イタンジ株式会社の取り組みは、賃貸不動産管理のあり方を変革する可能性を秘めている。今後、「入居者管理くん」の普及状況や、実際の導入効果について、業界関係者から注目が集まることは間違いない。

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