ミュートラックスに新モデル登場、無線LANオーディオの常識を覆す中継機能で音楽の可能性が無限大に

    ミュートラックス
    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000052296.html)より

    ミューシグナル社が開発した革新的な無線LANオーディオシステム「ミュートラックス」に、画期的な進化が起きた。新たに開発された中継子機が、これまでの無線オーディオの限界を打ち破り、音楽の可能性を無限に広げる。この技術革新により、商業施設やイベント会場、さらには広大な屋外空間でも、高品質な音楽や音声を自在に届けることが可能となる。

    目次

    無線LANオーディオの新時代を切り拓くミュートラックス

    ミュートラックスは、従来のBluetoothでは難しかった長距離・複数台接続・安定通信を実現した画期的なシステムだ。2023年の発表以来、半導体製造ラインや鉄道整備工場、移動式遊具、観覧車、商店街など、多様な場面で採用されてきた。

    この革新的なシステムが、さらなる進化を遂げた。新たに開発された中継子機(CS-CR0)が、システムの可能性を大きく広げるのだ。

    中継機能搭載で伝達距離と接続台数が無制限に

    従来のミュートラックスシステムでは、親機(MT-SA0)と子機(MT-CS0)の通信可能距離は約70メートルだった。それ以上の距離をカバーするには、市販の無線LAN中継器を使用する必要があり、設定の煩雑さや通信距離の制限が課題となっていた。

    新開発の中継子機は、この課題を見事に解決する。中継機能が子機に直接組み込まれたことで、設定が大幅に簡略化された。さらに、親機と同等の通信可能距離を実現し、システムのカバーエリアを事実上無制限に拡大することに成功したのだ。

    バケツリレー方式による革新的な通信技術

    中継子機の真骨頂は、その独自の通信方式にある。一般的な中継器では、子機の台数が増えるほど親機周辺の通信負荷が増大し、接続可能な子機の数に上限があった。

    しかし、新開発の中継子機は、親機から受け取ったオーディオデータを複製し、後段の子機群に受け渡す「バケツリレー方式」を採用している。この革新的な方式により、後段の子機数が増えても親機周辺の通信負荷は増加せず、理論上は無限に子機を接続できるようになった。

    さらに特筆すべきは、このシステムがデジタルデータの複製を行うため、子機の台数や段数が増えても音質の劣化が一切ないことだ。これにより、広大な空間や複雑な構造を持つ施設でも、均一で高品質な音響体験を提供することが可能となる。

    柔軟なネットワーク構成を実現する簡単設定

    中継子機には、2つのディップスイッチが搭載されている。1つ目のスイッチで接続するSSIDを、2つ目のスイッチで公開するSSIDを指定できる。この簡単な操作で、設置現場の条件に合わせた正確なネットワーク構成を実現できるのだ。

    この柔軟な設定機能により、複雑な構造を持つ施設や障害物の多い環境でも、最適な音響ネットワークを構築することが可能となる。

    富士スピードウェイでの導入事例

    この革新的なシステムの真価は、すでに実際の現場で証明されている。富士スピードウェイに新設された「FUJI MOTORSPORTS FOREST」のウェルカムセンターに、このネットワークオーディオシステムが初めて導入された。

    施設内のスロープに8台、天井の照明用ダクトレールに16台、さらには展示されているレーシングカーの下にも子機が設置され、総数35台のスピーカーネットワークが構築された。

    特に注目すべきは、レーシングカーの下に設置された子機だ。親機からの電波が届きにくいこの場所も、天井の照明用ダクトレールに設置された中継子機を経由することで、問題なく接続を実現している。

    この事例は、ミュートラックスの中継子機が、現場の条件に応じた柔軟な電波ルーティングを可能にすることを如実に示している。

    音楽と技術の融合がもたらす新たな可能性

    ミュートラックスの新技術は、単なる通信の改善にとどまらない。それは、音楽や音声を届ける可能性を大きく広げるものだ。

    広大な屋外空間での音楽フェスティバル、複雑な構造を持つ商業施設での案内放送、工場や建設現場での安全指示の伝達など、これまで技術的な制約があった場面でも、高品質で安定した音響体験を提供できるようになる。

    さらに、この技術は芸術分野にも新たな可能性を開く。たとえば、広大な美術館や博物館での音声ガイド、屋外彫刻公園での環境音楽の演出など、空間と音楽を融合させた新しい芸術表現の道を拓くかもしれない。

    今後の展開と期待

    ミューシグナル社のこの革新的な技術は、オーディオ業界に大きなインパクトを与えることは間違いない。今後、さまざまな分野での応用が期待される中、同社がどのような展開を見せるのか、業界関係者のみならず、音楽や技術に関心を持つ多くの人々が注目している。

    無線LANオーディオの常識を覆したミュートラックスの新技術。それは、私たちの音楽体験や空間デザインの概念を根本から変える可能性を秘めている。音楽と技術の融合がもたらす新たな世界に、私たちはますます期待を寄せずにはいられないだろう。

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