RoboSapiens、巻尺機構の突出型リニアアクチュエータで5つ目の特許取得

    BambooShoot Actuator
    画像:RoboSapiens(rb-sapiens.com/service/bambooshoot-actuator/)より

    スタートアップ企業RoboSapiensが、設立4年で5つ目となる特許を取得した。今回の特許は「突出型リニアアクチュエータ」に関するもので、安全性と設置のしやすさを向上させる画期的な技術だ。この特許技術は既に同社の主力製品に導入されており、高所作業の安全性向上に貢献している。

    目次

    革新的な巻尺機構で業界に新風

    RoboSapiensは2020年7月に設立された比較的新しい企業だが、その革新的な技術開発で業界に新風を吹き込んでいる。同社の強みは、巻尺の機構を応用した伸縮アクチュエータにある。この技術により、コンパクトな収納スペースから大きな伸縮を実現することが可能となった。

    今回の特許取得に至った「突出型リニアアクチュエータ」は、従来の設計における2つの主要な問題点を解決している。1つ目は安全面の向上だ。従来のデザインでは、アクチュエータの巻尺テープを送り出すローラーやフレームが露出していたため、指などを挟む危険性があった。2つ目は設置の容易さである。アクチュエータ自体に凹凸があることで、他の機械部品への装着が困難であったり、破損のリスクが高かったりした。

    安全性と利便性を両立した新設計

    新たに特許を取得した設計では、2本の巻尺テープを送り出すローラーやフレームをケース内に収納することで、これらの問題を解決している。この改良により、安全性が大幅に向上し、設置もより簡単になった。さらに、筐体のコンパクト化も実現し、伸縮アクチュエータの取り扱いが格段に容易になっている。

    RoboSapiens代表取締役社長の長尾俊氏は、この特許取得について次のように語っている。「巻尺の扱いは非常に危険で、私はよく『巻尺は爆発物』と例えます。金属テープには常に開こうとする力がかかっており、大きな金属テープほどその力は大きくなり、制御するのは想像以上に大変です。今回の発明によって、私どもの巻尺機構を採用したBambooShoot ActuatorとBambooBotの使い勝手は格段に向上しています。」

    特許技術の実用化と今後の展望

    この新しい特許技術は、既にRoboSapiensの主力製品であるBambooShoot Actuator(バンブーシュートアクチュエータ)とBambooBot(バンブーボット)に導入されている。これらの製品は、高所作業などの危険な点検作業の代替として活用され、作業現場の安全性向上と省力化に大きく貢献している。

    BambooShoot Actuatorは、コンパクトな筐体から最大4mまで伸長可能なアクチュエータだ。先端に様々なアタッチメントを装着することで、風速・風量測定、火災警報器点検、360度撮影などの多様な用途に対応できる。その携帯性と軽量性により、1人での持ち運びや移動ロボットへの搭載が可能となっている。

    一方、BambooBotは自律移動ロボットとセンサ計測技術を組み合わせた製品だ。3次元マップを生成し、予め設定したルートを自律的に移動しながら、高所の機器点検や監視を行うことができる。人や障害物を検知した際には一時停止し、ルートを再探索する機能も備えている。

    RoboSapiensの挑戦と将来ビジョン

    RoboSapiensは「人とロボットの共生」を基本理念に掲げ、人間が本来の価値を発揮できる領域に集中し、ロボットに任せられることは積極的に任せていく世界の実現を目指している。社名の由来も、人類を意味する「ホモ・サピエンス」になぞらえ、新たなロボットの生態系「ロボ・サピエンス」を形成したいという未来像を反映している。

    設立からわずか4年で5つの特許を取得したRoboSapiensの躍進は、日本のロボット技術革新の最前線を示している。今後も同社の技術開発が進むことで、より安全で効率的な作業環境の実現が期待される。RoboSapiensの挑戦は、ロボット技術の未来を切り拓く重要な一歩となっているのではないだろうか。

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