AI英語学習アプリ「レシピー」、九州大学と提携し特別プランを提供開始

    レシピー
    画像:POLYGLOTS(www.polyglots.net/)より

    九州大学の国際化戦略を後押しする画期的な取り組みとして、AI英語学習プラットフォーム「レシピー」を開発・運営する株式会社ポリグロッツが、九州大学の学生および職員向けに特別プランの提供を開始した。この提携により、九州大学のグローバル人材育成がさらに加速することが期待される。2024年6月から始まったこの新しい取り組みは、大学教育とAI技術の融合という点で注目を集めている。

    目次

    九州大学の国際化戦略とAI英語学習の融合

    九州大学は2030年に向けて「総合知で社会変革を牽引する大学」を目指している。この目標達成には、国際頭脳循環の創出が不可欠であり、日本人学生の英語能力向上が重要な課題となっている。大学は従来から、英語カリキュラム「Q-LEAP」を通じて学生のグローバル・コミュニケーション能力の養成に努めてきた。

    今回の「レシピー」特別プランの導入は、この既存の取り組みを補完し、強化する役割を果たすことが期待されている。特に、AIによる個別最適化された学習方法が、学生一人一人の英語力向上に大きく貢献すると見込まれている。また、この取り組みが学生だけでなく職員も対象としている点も注目に値する。大学全体の英語能力向上を通じて、国際的な研究交流や留学生受け入れ体制の強化にもつながる可能性がある。

    「レシピー」特別プランの詳細

    「レシピー」の特別プランは、九州大学の学生と職員を対象に、通常価格から大幅に割引された価格で提供される。この破格の価格設定により、より多くの学生や職員が高品質な英語学習環境にアクセスできるようになった。特別プランの具体的な内容と利用方法は以下の通りである。

    破格の価格設定

    「レシピー」の特別プランは、一般向け価格の約80%オフという破格の設定となっている。アプリプランは5ヶ月で5,000円(税込)、アプリ&レッスンプラン(5ヶ月チケット30枚)は49,000円(税込)で提供される。

    この価格設定により、多くの学生が経済的負担を抑えつつ、高品質な英語学習環境にアクセスできるようになった。特に、長期的な学習を視野に入れた5ヶ月間のプラン設定は、学期単位での利用を考えている学生にとって利便性が高い。また、アプリ&レッスンプランでは、AIによる学習に加えて人間の講師によるレッスンも受けられるため、より総合的な英語力向上が期待できる。

    利用期間と申込方法

    特別プランは前期と後期に分けて提供される。前期は2024年6月1日から10月31日まで、後期は2024年11月1日から2025年3月31日までとなっている。申込期間は各期の開始前に設定されており、多くの学生や職員が計画的に利用を開始できるよう配慮されている。

    この期間設定により、学生は学期のスケジュールに合わせて英語学習を進めることができる。また、職員にとっても業務の繁忙期を避けて学習を始められるなど、柔軟な対応が可能となっている。

    AIが生成する個別最適化カリキュラム

    「レシピー」の最大の特長は、AIによる個別最適化された学習カリキュラムの生成にある。200万人以上の学習データを基に、各ユーザーの英語スキル、強化したい分野、1日の学習時間などを考慮し、最も効果的な学習プランを提案する。

    この技術により、従来の画一的な英語学習方法の限界を超え、各学習者の進捗や目標に合わせた柔軟な学習が可能となる。例えば、リスニングに苦手意識を持つ学生には、その分野を重点的に強化するプランが提案されるなど、個々のニーズに応じた学習が実現する。

    九州大学出身者が開発した革新的サービス

    興味深いのは、「レシピー」を開発した株式会社ポリグロッツの代表取締役、山口隼也氏が九州大学の卒業生であることだ。山口氏は在学中、ビッグデータを用いた除染シミュレーションの研究に携わり、その後、英語学習の課題に直面したことがきっかけでポリグロッツを起業した。

    英語学習の課題を身をもって体験

    山口氏は、最新の技術文献を読むために英語学習を本格的に始めた際、日本の英語教育の問題点を痛感した。根性論に頼る学習法、退屈な教材、高額な個別指導などの課題を克服するため、テクノロジーを活用した新しい英語学習環境の創出を目指した。

    この経験が「レシピー」の開発につながり、九州大学との提携という形で母校に貢献する機会を得たことは、産学連携の新たな形を示すものとも言えるだろう。

    今後の展開と期待される効果

    この提携により、九州大学の学生および職員の英語能力向上が加速することが期待される。また、大学全体の国際化推進にも大きく貢献する可能性がある。

    グローバル人材育成の新たな可能性

    AI技術を活用した個別最適化学習の導入は、従来の英語教育に革新をもたらす可能性がある。九州大学のケースが成功すれば、他の教育機関でも同様の取り組みが広がる可能性があり、日本全体のグローバル人材育成に新たな道筋をつけることになるだろう。

    産学連携の好事例として

    大学発のアイデアが実際のビジネスとして成功し、再び大学教育に還元されるという本事例は、産学連携の好事例としても注目される。このような循環が活発化すれば、日本の教育・研究環境のさらなる発展につながる可能性がある。

    九州大学と「レシピー」の提携は、テクノロジーを活用した教育イノベーションの一つの形を示している。今後の展開と成果が、日本の高等教育および語学教育の未来を占う重要な指標となるだろう。

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