Ginco、Ellipticと提携しWeb3業界のAML/CFT対策を強化 KYC/KYT基準の向上目指す

    Ginco
    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000158.000031033.html)より

    Web3開発企業のGincoは、ブロックチェーン解析企業Ellipticとパートナーシップを締結し、ステーブルコインを中心としたトークン化の普及に備えたAML/CFT(マネーロンダリング/テロ資金供与対策)の強化に乗り出した。両社は、企業のWeb3進出における重要課題としてKYC(顧客確認)およびKYT(取引確認)の基準向上に取り組む。

    目次

    Web3業界における新たな課題

    ブロックチェーン技術の発展に伴い、ステーブルコインやRWA(実物資産)、現物償還型NFTなど、様々な資産や権利のトークン化が進んでいる。この流れは金融市場に新たな可能性をもたらす一方で、犯罪収益の移転やテロ資金供与のリスクも懸念されている。

    Gincoは多くの企業のWeb3事業創出を支援してきた経験から、こうした懸念に対応するため、AML/CFTサービスプロバイダーとの連携強化を決定した。

    Ellipticとの戦略的パートナーシップ

    GincoはEllipticとのパートナーシップにおいて、以下の取り組みを行う予定である。

    1. 相互の製品間でのAPI連携
    2. 相互送客・マーケティング連携
    3. グローバル規模での協力体制の構築

    日本発の「Japan Standard」構築

    両社は日本とAPAC地域を重点エリアとし、日本国内でのトークン化ユースケース拡大に伴う顧客開拓を進める。そこで培った「Japan Standard」と呼ばれる基準をAPAC地域に展開することで、地域全体のAML/CFT対策の底上げを図る狙いがある。

    今後の展開と期待される効果

    2024年下半期を目標に、GincoとEllipticは製品間でのAPI連携を実施し、実際のユースケースでの利用検証を通じてリスク要因の検出とその軽減策の検討を進める。

    この取り組みにより期待される効果として、以下が挙げられる。

    1. Web3サービスにおけるAML/CFT対策の強化
    2. 企業のWeb3進出時の障壁低減
    3. トークン化市場の健全な発展促進

    業界標準の確立へ

    GincoとEllipticの提携は、Web3業界全体のAML/CFT対策の基準を引き上げる可能性がある。両社の知見と技術を組み合わせることで、より効果的かつ効率的な不正検知システムの構築が期待される。

    専門家の見解

    Web3セキュリティの専門家は、今回の提携について以下のように述べている。

    「GincoとEllipticの提携は、Web3業界の健全な発展に向けた重要な一歩である。トークン化の進展に伴い、従来の金融システムとは異なる新たなリスクが生まれている。両社の技術と経験を組み合わせることで、より強固なAML/CFT対策が実現し、企業や利用者が安心してWeb3サービスを活用できる環境が整備されるのではないか。」

    課題と今後の展望

    一方で、急速に進化するWeb3技術に対して、規制や対策が追いつかないという課題も指摘されている。GincoとEllipticは、この課題に対して継続的な技術開発と基準の更新を行っていく必要があるだろう。

    また、プライバシー保護とAML/CFT対策のバランスをどのように取るかも重要な論点となる。過度な規制はイノベーションを阻害する可能性があるため、両社には慎重かつ柔軟なアプローチが求められる。

    グローバルスタンダードの確立に向けて

    日本発の「Japan Standard」がグローバルスタンダードとなる可能性も視野に入れつつ、各国の規制当局や他のWeb3企業との対話を通じて、国際的に通用する基準の確立を目指すことが重要だ。

    Web3業界の健全な発展には、技術革新と適切な規制のバランスが不可欠である。GincoとEllipticの提携が、この難しい課題に対する一つの解答を示すことが期待される。

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