KARENTが7月10日に配信を開始した4つの新作アルバムが、ボーカロイドファンの間で大きな話題を呼んでいる。クリプトン・フューチャー・メディアが運営するこの音楽レーベルは、常に革新的な作品を世に送り出してきたが、今回の新作群は特に注目に値する内容となっている。
にこにこもかれーが贈る病みカワの集大成『ハッピーキラー』
『ハッピーキラー』はにこにこもかれーによる最新作だ。AiSuuがボーカルを務めるこのアルバムは、フューチャーポップの要素を巧みに取り入れつつ、独特の病みカワな世界観を表現している。
クリエイター本人は「最高に幸せで最高に苦しい!」という恋愛の多面性を表現したと語っている。キックの効いたアップテンポな楽曲に、ドリーミーな雰囲気が絶妙にマッチしており、聴く者を虜にする魅力がある。
恋のときめきを表現した歌詞は、多くのリスナーの共感を呼びそうだ。「ミュージック(心臓)が止まるまで一緒にいようね」というフレーズには、重度の恋愛感情が凝縮されている。
プロジェクトセカイ楽曲『烈火』がMiku版で登場
人気ゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』に書き下ろされた楽曲『烈火』が、初音Mikuのボーカルバージョンとして配信された。niki reverseが手掛けたこの楽曲は、エレクトロニックな要素が際立っている。
タイトル通りの熱いマインドが、心地よく痺れるようなトラックに込められており、ゲーム版とはまた違った魅力を感じることができる。Mikuの歌声が楽曲の世界観をさらに引き立てており、プロセカファンはもちろん、ボーカロイドファンにとっても聴き逃せない一曲となっている。
Hylenによる『UNDERWATER』リミックス第2弾
Hylenの楽曲『UNDERWATER』のリミックスEP第2弾『Project:UNDERWATER -UNDERWATER REMIXES 002 –』も注目を集めている。Digital Stars 2023で披露されたこの楽曲のリミックス集には、Capchii、ていぬ、xaevといった実力派リミキサーが参加している。
多彩な表現で進化を遂げるUNDERWATER
オリジナル版とは一味違う3つの新リミックスに加え、Speedup版とSlowed&Reverb版も収録されており、一つの楽曲がこれほどまでに多様な表現を見せる例は珍しい。クリエイター自身も「派生作品はなんと12曲」と驚きを隠さない様子だ。
この作品は、UNDERWATERという楽曲の可能性を極限まで引き出した集大成と言えるだろう。ボーカロイド音楽の新たな地平を切り開く意欲作として、高く評価されることは間違いない。
Vivid BAD SQUADの新曲が早くもKARENTに登場
『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』に登場するストリートユニット・Vivid BAD SQUADの8thシングル『リアライズ/CR詠ZY』もKARENTで配信開始となった。
柊マグネタイトによる『リアライズ』と梅とらによる『CR詠ZY』という2曲のセカイバージョンが収録されている。プロジェクトセカイの世界観を色濃く反映しつつ、KARENTならではの高音質で楽しめる点が魅力だ。
KARENTが切り拓くボーカロイド音楽の未来
今回配信された4作品は、それぞれが異なる魅力を持ちながら、KARENTの高い品質基準を満たしている。ボーカロイド音楽の多様性と可能性を示す好例と言えるだろう。
KARENTは今後も毎週水曜日に新作情報を公開していく予定だ。ボーカロイドファンにとって、水曜日が待ち遠しくなること間違いなしだろう。
業界関係者の間では、KARENTの積極的な新人発掘と既存アーティストの支援が、ボーカロイド音楽シーンの活性化に大きく貢献しているという声も聞かれる。今回の4作品の配信も、そうした取り組みの成果の一つと見ることができるだろう。
ボーカロイド音楽は今後さらなる発展を遂げる可能性を秘めている。KARENTの動向から目が離せない。