グーグルが日本発の革新的「ハッシュタグ検索」を開始、ユーザーの”推し”文化に対応

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    画像:USA TODAY(usatoday.com/story/money/business/2018/12/17/google-hudson-square-expand-nyc/2334440002/)より
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    日本独自のハッシュタグ文化がきっかけとなった新機能

    グーグルは6月19日、日本のユーザー向けに「ハッシュタグ検索」機能の提供を開始した。この新機能は、日本のインターネット文化における独特なハッシュタグの使用法と、ユーザーの深い興味関心に応えるために開発された。日本や韓国などの東アジア地域では、ハッシュタグがオンラインだけでなく、雑誌やテレビなどのオフラインメディアでも頻繁に使用されている。この現象は、グーグルの検索担当ゼネラルマネージャーである村上臣氏によると、非常に特徴的な状況であり、ハッシュタグが日常生活に深く根付いていることを示している。

    日本のユーザーは、単なる情報検索だけでなく、最新のトレンドや自分の興味のある分野について深く掘り下げたいという強い欲求を持っている。グーグルが実施した世界6カ国での調査結果によると、日本のユーザーは特に、自分の「推し」や趣味に関する最新情報を包括的に知りたがる傾向が強いことが判明した。このニーズに応えるため、グーグルは従来の検索方式とは異なるアプローチを模索し、その結果として「ハッシュタグ検索」が誕生した。

    ハッシュタグ検索がもたらす新たな情報探索体験

    従来のグーグル検索では、特定のキーワードを入力することで、関連する一般的な情報や回答を得ることができた。例えば「チョコレート」と検索すると、チョコレートの製造方法、種類、購入場所などの情報が表示される。一方、新しいハッシュタグ検索では、「#チョコレート」と入力することで、ソーシャルメディア、YouTube、オンライン雑誌、ブログなどから最新のコンテンツが表示される。

    この機能により、ユーザーは従来の検索では得られなかったトレンドやニッチな情報にアクセスできるようになる。例えば、「#韓国コスメ」や「#中目黒グルメ」といった検索では、最新の美容トレンドや地域のグルメ情報をリアルタイムで入手することができる。検索結果には、X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどの人気ソーシャルメディアからのコンテンツも含まれるが、具体的にどのプラットフォームが対応しているかは非公開となっている。

    日本発の「推し」文化に対応する検索機能

    日本のインターネット文化には、「推し活」という独特な現象がある。これは、自分の好きなものや人を熱心に応援し、それに関する情報を積極的に収集する活動を指す。村上氏は、自身の「中国茶推し」を例に挙げ、特に「武夷岩茶」という比較的マイナーな茶葉に対する深い興味を持っていると語った。このような、一般的には知名度が低くても個人にとっては非常に重要な「推し」に関する最新情報を、簡単に入手できるようにすることが、ハッシュタグ検索の主要な目的の一つとなっている。

    また、日本のソーシャルメディアユーザーは、「〇〇好きと繋がりたい」といった独特なハッシュタグの使用法を持っている。例えば、「#写真好きな人と繋がりたい」のようなタグは、自己紹介や趣味のアピール、ネットワーク拡大のために頻繁に使用される。グーグルは、このような日本固有のハッシュタグ文化に着目し、日本のチームを中心にハッシュタグ検索機能を開発した。

    新機能の展望と課題

    ハッシュタグ検索の導入により、ユーザーは単なる回答だけでなく、最新かつタイムリーで、時にはニッチな情報まで検索で得られるようになる。しかし、この新機能の導入によって、従来のキーワード検索を意図するユーザーに混乱を招く可能性も考えられる。この懸念に対して村上氏は、検索機能が長年にわたって進化し、様々な使われ方をしてきたことを指摘した。近年のユーザーニーズの多様化と拡大に対応するため、ハッシュタグ検索は従来提供できていなかった機能の一つとして位置づけられている。

    グーグルは、この新機能の受け入れられ方を注意深く観察していく方針だ。試験運用では、多くのユーザーが繰り返し利用し、好意的な反応を示したことが報告されている。今後、この日本発の革新的な検索機能が、ユーザーの情報探索行動にどのような変化をもたらすか、そして他の国々でも同様のニーズが顕在化するかどうかは注目に値する。グーグルは、ユーザーの声に耳を傾けながら、機能の改善と拡張を続けていくことだろう。

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