日本道路協会による画期的な電子図書サービスの全容
公益社団法人日本道路協会は、アイドック株式会社が開発した電子書籍配信プラットフォーム「bookend」を採用し、技術基準書のデジタル化を実現した。建設業界で長年待望されていた電子図書サービスは、2024年10月1日から本格的な運用を開始している。
道路設計や施工の現場で必要不可欠な技術基準書は、従来から分厚く重い紙の書籍として知られていた。現場での持ち運びや検索の手間という実務者の悩みに応えるべく、日本道路協会は半年間の無料提供期間を経て、利用者からのフィードバックを徹底的に分析し、実用的な機能を備えたサービスとして進化を遂げた。
最新テクノロジーを駆使した利便性の追求
新システムはShopifyをベースとした決済システムと、bookendの高度なDRM機能を組み合わせることで、セキュリティと使いやすさを両立している。利用者は「日本道路協会」専用アプリを通じて、Windows、Mac、iOS、Androidの各プラットフォームで電子図書を閲覧できる。
現場のニーズに応える充実した機能
現場技術者からの要望が強かった索引やキーワード検索機能を実装し、数百ページに及ぶ技術書でも必要な情報に素早くアクセスすることが可能となった。また、テキストのコピー&ペースト機能や付箋機能、テキストメモ機能なども搭載され、実務での利便性を大幅に向上させている。
オフライン環境下での活用を実現
建設現場では必ずしもインターネット環境が整っていないことを考慮し、一度ダウンロードした図書はオフライン環境でも閲覧できる仕様となっている。加えて、ブラウザ版も用意されており、オフィスでのデスクワークにも対応している。
技術基準書のデジタルトランスフォーメーション
道路橋示方書や道路構造令の解説など、道路建設に関する主要12冊がデジタル化された。さらに、業界からの要望に応える形で復刻版や合冊版、セット販売なども展開している。
徳山会長が語るデジタル化の意義
日本道路協会の徳山日出男会長は、電子化によって実現した即時データ更新機能や閲覧ログ分析機能を高く評価している。特に、技術者の利用パターンを把握できることで、今後の技術基準書の改訂や新規開発に活かせる可能性を示唆している。
建設業界のデジタル化を加速させる展望
アイドック株式会社のbookendシステムは、すでに200社以上の導入実績がある。建設業界における今回の採用は、技術文書のデジタルトランスフォーメーションの新たなモデルケースとなる可能性を秘めている。