Klipschが小型Bluetoothスピーカー市場に参入した背景
アメリカの伝統的なスピーカーブランドKlipschが、2024年10月23日より日本市場で初のポータブルBluetoothスピーカー3機種の販売を開始する。Music city seriesと名付けられたAustin、Nashville、Detroitの3モデルは、アメリカの代表的な音楽都市にちなんで命名された。
Klipschは1946年の創業以来、シネマ、プロユース、ホームシアター、ハイエンドスピーカーに特化してきた老舗ブランドだ。全米でNo.1のプレミアムオーディオブランドとして知られ、全米の劇場シェアNo.1を誇るほか、世界的に有名なハードロックカフェの公式スピーカーとしても採用されている。
高音質技術を小型スピーカーに応用
Klipschが今回小型Bluetoothスピーカー市場に参入した理由は、長年培ってきた音響技術と経験を活かし、より手頃な価格帯で多くの消費者にKlipschの特徴である「ライブ感」と「臨場感」を楽しんでもらうためだ。各モデルは異なるライフスタイルに合わせて設計されており、Klipschの音響技術を日常生活に取り入れやすくなっている。
3機種それぞれの特徴と価格
Austin モデル コンパクトながら迫力ある音質を実現
Austinモデルは、テキサス州オースティン市にちなんで名付けられた。約270軒のライブハウスが集まる「ライブミュージックの聖地」として知られる都市だ。このモデルは、コンパクトなボディながら迫力ときめ細やかさを両立させた音質が特徴となっている。
38mmのフルレンジドライバーを搭載し、高音から低音まですべての音域を忠実に再現する。さらに、2つのパッシブラジエーターを搭載することで低音を増幅し、心を揺さぶるような深いベース音を実現している。
Austinモデルは、サイクリングやバーベキューなど、アウトドアでの使用に適している。価格は19,800円(税込)だ。
Nashville モデル 360度サウンドで臨場感あふれる音楽体験を提供
Nashvilleモデルは、「カントリーミュージックの聖地」として有名なテネシー州ナッシュビル市から命名された。前後両面にデュアルフルレンジドライバーとデュアルパッシブラジエーターを搭載しており、360度からコンサート会場にいるような臨場感を体験できる。
57mmのフルレンジドライバーを両面に配置し、繊細な高音も忠実に再現する。また、パッシブラジエーターも両面に使用することで、全方位に深く響く重低音を実現している。
Nashvilleモデルは、大人数でのパーティーやキャンプなど、広い空間での使用に適している。また、2台をステレオ連携させることで、より立体的な音響を楽しむことができる。価格は30,800円(税込)だ。
Detroit モデル パワフルな重低音で音楽を体感
Detroitモデルは、世界的に有名なレコードレーベル「モータウン」の発祥の地であり、ブルース、ロック、ソウル、ジャズ、パンク、ヒップホップなど多様な音楽文化を育んだミシガン州デトロイト市にちなんで命名された。30Wの大出力で、ロックやストリートダンスなどパワフルな音楽ジャンルに特化したモデルだ。
76.2mmの大型フルレンジドライバーを採用し、ポータブルスピーカーとしては非常に高い音圧を実現している。さらに、4つものパッシブラジエーターを搭載することで、体全体で感じられるような重低音を生み出している。
Detroitモデルは、屋外イベントや大規模なパーティーなど、より広い空間でのパワフルな音楽再生に適している。価格は52,800円(税込)だ。
Klipschの音響技術がもたらす新たな音楽体験
Klipschは、ハイエンドのホーンスピーカーで培った技術と原音を忠実に再現するというモノづくりの哲学を、Bluetoothスピーカーにも注ぎ込んでいる。Music city seriesの3機種は、聴き慣れた曲の中に隠れていた音や楽器の音色を発見させてくれる可能性を秘めている。
各モデルは、IP67等級の防塵・防水性能を備えており、屋外での使用にも耐える設計となっている。また、内蔵マイクを搭載しているため、ハンズフリー通話にも対応している。
さらに、NashvilleモデルとDetroitモデルは、リバース充電機能を備えており、スマートフォンなどの機器を充電することも可能だ。
販売開始日と販売チャネル
Klipschの新作Bluetoothスピーカー3機種は、2024年10月23日より、KARAFULLの楽天ショップ、Yahoo!ショッピング、Amazonで販売が開始される。また、実店舗では蔦屋家電+とBICカメラでの販売も予定されている。
音楽愛好家やアウトドア派の消費者にとって、Klipschの高音質技術を手軽に楽しめる新たな選択肢として注目を集めそうだ。各モデルの特徴を生かし、ユーザーの生活スタイルに合わせた使い方を提案することで、Klipschブランドの新たなファン層の開拓にもつながる可能性がある。
今後の展開と業界への影響
Klipschのような高級オーディオブランドが小型Bluetoothスピーカー市場に参入することで、業界全体の音質向上に拍車がかかる可能性がある。また、音楽都市にちなんだネーミングや、各モデルの特徴的なデザインは、オーディオ製品のマーケティング戦略に新たな風を吹き込むかもしれない。
今後、他のハイエンドオーディオブランドも同様の戦略を取り、ポータブルスピーカー市場に参入する動きが出てくる可能性も考えられる。消費者にとっては、より高音質な製品を手頃な価格で入手できるチャンスが増えることになるだろう。
Klipschの新製品が日本市場でどのような反響を呼ぶか、また、ブランドイメージにどのような影響を与えるか、今後の動向が注目される。