OurPhoto株式会社、株式会社ラブグラフ、ピクスタ株式会社の3社が協力し、七五三撮影におけるプロフェッショナルな技術とマナーの向上を目指す新たな取り組みを開始した。この取り組みは、昨年制定された「神社仏閣撮影ガイドライン」を基盤とし、出張撮影業界全体の品質向上を図るものだ。
七五三撮影セミナーの概要と目的
2024年9月17日、OurPhoto、Lovegraph、fotowaの3社は合同で「七五三撮影セミナー」を開催した。このセミナーには、3社に所属する270名のプロフォトグラファーが参加し、神社仏閣での撮影マナーやエチケット、年齢別の撮影テクニック、着物の扱い方など、七五三撮影に特化した知識と技術を学んだ。
セミナーの主な目的は、フォトグラファーの意識向上と正しい知識の習得にある。神社仏閣での適切な振る舞い方や、子どもの年齢に応じた撮影のポイント、着物の正しい扱い方など、七五三撮影に必要な幅広い知識を共有することで、顧客の大切な思い出をより良い形で残すことを目指している。
セミナーの具体的な内容
セミナーでは、以下のような内容が取り上げられた。
- 神社仏閣撮影におけるマナー講座:フォトグラファーが守るべきマナーやエチケットについて詳しく解説された。神社仏閣は神聖な場所であり、撮影中も参拝者や神職の方々への配慮が必要不可欠だ。具体的には、撮影エリアの制限や、音量への注意、祭事や行事への配慮などが取り上げられた。
- 七五三撮影のポイント:七五三撮影の流れや実践的なテクニック、年齢別のお子様の撮影のコツなどが共有された。3歳、5歳、7歳と年齢によって異なる子どもの特性や、それぞれの年齢に適した撮影アプローチについて、経験豊富なフォトグラファーからアドバイスが提供された。
- 年齢別のお着物の取扱方法:正しい着こなしの解説や、撮影中の着崩れの直し方について学んだ。七五三の着物は年齢や性別によって異なる特徴があり、それぞれの着物の特性を理解し、適切に扱うことが美しい写真を撮影する上で重要だ。
出張撮影業界の成長と課題
出張撮影業界は近年急速な成長を遂げており、OurPhoto、Lovegraph、fotowaの3サービスだけでも、これまでに36万件を超える撮影を行ってきた。特に、従来のスタジオ撮影とは異なり、顧客が希望する場所で自然な表情や瞬間を撮影できる出張撮影サービスの需要が高まっている。
しかし、業界の成長に伴い、神社仏閣での撮影マナーや技術の標準化が課題となっていた。特に七五三のような伝統行事の撮影においては、神社仏閣の運営者や他の参拝客への配慮が不可欠だ。
神社仏閣撮影ガイドラインの制定
この課題に対応するため、3社は2023年10月に「神社仏閣撮影ガイドライン」を制定した。このガイドラインは、神社仏閣での撮影時に守るべきマナーや注意点をまとめたものだ。今回の七五三撮影セミナーは、このガイドラインを実践的に学ぶ機会として位置づけられている。
業界全体の品質向上を目指して
3社の取り組みは、単に自社のサービス向上にとどまらず、出張撮影業界全体の品質向上を目指すものだ。今後も定期的な研修や情報共有を行い、さらには外部への発信・公開も積極的に行っていく方針だ。
これにより、OurPhoto、Lovegraph、fotowa以外の出張撮影サービスを展開する企業にも、この取り組みの成果を活用してもらうことを目指している。業界全体で撮影品質とマナーの向上に取り組むことで、顧客満足度の向上と、出張撮影サービスのさらなる普及が期待される。
今後の展開と業界への影響
3社の取り組みは、出張撮影業界に新たなスタンダードを生み出す可能性を秘めている。特に七五三のような伝統行事の撮影においては、プロフェッショナルな技術とマナーの両立が不可欠だ。
今後、この取り組みがモデルケースとなり、他の出張撮影サービス企業にも同様の取り組みが広がることが予想される。結果として、業界全体の撮影品質とマナーの向上が進み、顧客にとってより安心で満足度の高いサービスが提供されるようになるだろう。
また、神社仏閣側との良好な関係構築にもつながり、出張撮影サービスの社会的認知度と信頼性の向上にも寄与すると考えられる。
結びに
うるるグループ傘下のOurPhotoを中心とした3社の取り組みは、急成長する出張撮影業界に新たな風を吹き込むものだ。プロフェッショナルな技術とマナーの両立を目指すこの取り組みが、業界全体の品質向上と健全な発展につながることが期待される。
今後も、各社の継続的な努力と協力により、日本の伝統行事である七五三をはじめとする大切な思い出を、より美しく、より適切に残すことができるサービスが提供されていくことだろう。