シルバーエッグ・テクノロジー株式会社は、AI搭載レコメンドエンジン「アイジェント・レコメンダー」の機能強化オプション「V-レコ」を発表し、2024年9月11日より提供を開始した。V-レコは、大規模言語モデルを活用して初回訪問顧客向けのレコメンド精度を向上させ、ECサイトの売上拡大を支援する画期的な機能となっている。
ECサイトにおけるレコメンド技術の重要性と課題
近年、ECサイトの急速な拡大に伴い、ユーザーに最適な商品を提案するレコメンド技術の重要性が高まっている。しかし、従来のレコメンドシステムには、新規ユーザーや新商品に対する推奨精度が低いという「コールドスタート問題」が存在していた。
シルバーエッグ・テクノロジーは、このような課題に対応するため、生成AIで使用される大規模言語モデルを応用した新サービス「V-レコ」を開発した。V-レコは、企業が保有する商品画像データを、インターネットから収集した膨大な画像・テキスト情報をもとに解析し、ユーザーが閲覧中の商品に類似した商品をレコメンドする仕組みとなっている。
V-レコの画期的な技術と特徴
V-レコの核となる技術は、インターネットから収集した多様な画像と関連テキストから構成される大規模言語モデル（LLM）を用いた画像分析にある。従来の画像認識型レコメンドエンジンとは異なり、V-レコは単に画像の色や形の類似性だけでなく、画像が持つ意味や概念を理解し、より適切な商品をレコメンドすることが可能となっている。
さらに、V-レコは新商品に対しても事前学習された知識を活用し、迅速に類似商品を見つけ出してレコメンドすることができる。アイジェント・レコメンダーと組み合わせることで、新規ユーザーや閲覧回数の少ない商品に対しても、より適切なレコメンドが実現可能となった。
初回訪問ユーザーの購買行動活性化
V-レコの導入により、初回訪問ユーザーの関心に合った商品を素早くレコメンドし、閲覧・購買行動を活性化することが期待できる。ユーザーが抱える「商品が見つけづらい」という課題を解決し、快適なサイト内体験を提供することで、リピートユーザーの獲得にもつながるだろう。
新商品とロングテール商品の販売促進
V-レコは、サイトに新しく登録された商品や、あまり注目されていないロングテール商品も、類似度の高い他の商品ページで積極的にレコメンドする。これにより、ユーザーが新しい商品や隠れた逸品を発見しやすくなり、ECサイト全体の商品回転率向上にも寄与すると考えられる。
AIによる自動化がもたらす運用効率の向上
V-レコの大きな特長の一つは、AIによる自動化によってサイト管理者の運用工数を大幅に削減できる点にある。アイジェント・レコメンダーの商品データベースとの自動連携により、個別設定なしに商品の分析・レコメンドが可能となっている。
新商品も自動的に学習するため、サイト管理者による都度のチューニングなどの運用作業が不要となり、EC事業者は本来のビジネス戦略立案や顧客サービスの向上により多くのリソースを割くことができるようになるだろう。
V-レコがもたらすECサイトの未来
V-レコの導入は、ECサイトにおける顧客体験の向上と売上拡大に大きな可能性をもたらすと考えられる。初回訪問ユーザーへのレコメンド精度向上は、新規顧客の獲得とリピート率の向上につながり、ECサイトの持続的な成長を支援するだろう。
また、新商品やロングテール商品の販売促進効果は、ECサイトの商品ラインナップの多様性を活かし、顧客の多様なニーズに応えることを可能にする。これにより、ECサイトの競争力強化と顧客満足度の向上が期待できる。
シルバーエッグ・テクノロジーは、V-レコの提供を通じて、EC事業者のさまざまな課題解決に貢献し、パーソナライゼーション技術の更なる進化を目指すとしている。今後のAI技術の発展と共に、ECサイトにおけるレコメンド機能の重要性はますます高まっていくと予想され、V-レコのような革新的なソリューションが市場をリードしていくことだろう。
