イベント特化型ホテル予約サイト「FanVas」が新たな展開を見せる
BEENOS株式会社の連結子会社であるBEENOS Travel株式会社が提供するコンサートやイベント参加者向けサービス「FanVas（ファンバス）」が、新たなホテル予約サイトをオープンした。この新サイトは、イベント遠征時の宿泊に関する課題を解決することを目指している。
BEENOS Travelは、日本の魅力を世界に広げ、旅行やインバウンド市場の成長を加速させることを使命としている。「FanVas」は、その一環として2023年5月に立ち上げられたサービスだ。当初はシャトルバスサービスとして始まったが、今回のホテル予約サイトの開設により、さらに包括的なサービスを提供することになる。
イベント遠征客の悩みに応える「FanVas」の特徴
「FanVas」の新ホテル予約サイトは、イベント参加者特有の悩みに焦点を当てている。土地勘のない地域での宿泊先選びや、会場へのアクセスの不便さなど、遠征時に直面する問題を解決するための機能が盛り込まれている。
具体的には、会場だけでなく新幹線や空港へのアクセスも考慮したホテル情報を提供する。利用者が会場と交通手段（新幹線、空港、その他）を選択すると、おすすめのエリアがイラストマップで表示される。さらに、新幹線駅や空港からホテルまで、そしてホテルから会場までの行き方も、ホテル一覧と共に表示されるのだ。
利用者ニーズに応える「FanVas」の取り組み
アンケート結果が示す遠征客の課題
BEENOS Travelが「FanVas」利用者を対象に実施したアンケートでは、遠征時の宿泊に関する興味深い結果が得られた。約30％の利用者が会場までのアクセスの良さを重視していると回答した一方で、60％以上の利用者が実際にホテルを選ぶ際に会場までのアクセスが良いかどうかわからないと答えた。
この結果から、会場とホテル間のアクセスに関する情報提供が、遠征客にとって重要な課題となっていることが明らかになった。「FanVas」の新ホテル予約サイトは、まさにこの課題に対応するものと言える。
今後の展開と期待される効果
BEENOS Travelは、「FanVas」の機能をさらに拡充していく方針だ。今後は、サイト上で取り扱うホテルと会場のアクセスをより便利にするため、送迎プランなども導入する予定だ。また、国内外の顧客向けの新しいプランの企画や取り扱いも計画している。
ホテル事業者にとっても、「FanVas」は新たな機会をもたらす可能性がある。イベントで多くの人が遠征する際、必ずしも会場近くのホテルだけでなく、アクセスの良い他のエリアのホテルも推奨されるため、一見イベントとは関係のないエリアのホテルでもイベント関連の予約が増える可能性がある。
「FanVas」誕生の背景と社会的意義
「推し活」文化の広がりとイベント参加の課題
近年、「推し活」という言葉に代表されるように、エンターテインメントに時間を費やす人々が世代を問わず増加している。リアルイベントやコンサートの開催数も増加傾向にあるが、会場へのアクセスの問題は依然として存在する。
多くのコンサート会場は駅から遠かったり、主要駅からの電車の本数が少なかったりすることが多い。その結果、参加者は大切なイベントへの移動に際して体力を消耗したり、アクセスの不便さに悩まされたりしていた。
BEENOS Travelの挑戦と「FanVas」の役割
BEENOS Travelは、このような移動の課題を解決するために「FanVas」を立ち上げた。当初はシャトルバスサービスとして始まったが、2023年8月からは宿泊付きパックの提供も開始し、イベントやコンサート移動に伴う課題を一貫して解決することを目指している。
「FanVas」の取り組みは、単にイベント参加者の利便性を向上させるだけでなく、地域の観光振興やホテル業界の活性化にも寄与する可能性がある。遠征客の流れを最適化することで、都市部だけでなく地方の宿泊施設にも恩恵をもたらす可能性があるのだ。
BEENOS Travelが描く未来のイベント遠征
BEENOS Travelは、テクノロジーを活用して日本と海外を双方向に繋ぐグローバルなビジネス展開を行うBEENOSグループの一員として、新しい旅行の価値を創造することを使命としている。「FanVas」の展開は、その使命を具現化する重要な取り組みの一つと言えるだろう。
今後、「FanVas」がさらに進化し、イベント遠征の在り方を変革していく可能性は高い。移動と宿泊の問題を解決することで、より多くの人々がイベントに参加しやすくなり、エンターテインメント産業全体の活性化にも繋がるかもしれない。
BEENOS Travelの挑戦は、テクノロジーと旅行産業の融合がもたらす新たな可能性を示唆している。「FanVas」の今後の展開が、日本のイベント文化と旅行産業にどのような影響を与えていくのか、注目していく必要があるだろう。
