DONUTSが『CLIUS』を全面リニューアル、診療業務の一元管理を実現
株式会社DONUTSが提供するクラウド型電子カルテ『CLIUS』が、診療所の業務効率を大幅に向上させる全面リニューアルを行った。日本医師会が開発した日医標準レセプトソフト「ORCA」をエンジンとして採用し、診療予約から会計まで全ての日常業務を『CLIUS』上で完結できるシステムへと進化した。
従来の『CLIUS』では、カルテ機能と会計機能が分かれており、システムをまたいだ運用が必要だった。新しい『CLIUS』では、「ORCA」の機能が内包され、単一の画面操作で全ての業務を完結できるようになった。診療所のスタッフは、複数のシステムを行き来する必要がなくなり、業務の効率化と人為的ミスの低減が期待できる。
マイナンバーを活用した受付業務の効率化
リニューアルされた『CLIUS』は、マイナンバーを利用したオンライン資格確認と受付業務の連動も可能となった。患者の来院時に、マイナンバーカードを用いて瞬時に保険資格を確認できるため、受付業務がよりスムーズになる。医療機関にとっては事務作業の負担が軽減され、患者にとっては待ち時間の短縮につながる可能性が高い。
『CLIUS』の進化がもたらす診療所運営の変革
予約から会計まで、一気通貫の業務管理
新しい『CLIUS』では、予約、受付、診療、算定、会計といった診療所の日常業務が一元管理される。予約機能により患者のスケジュール管理が効率化され、受付では迅速な対応が可能となる。診療画面では患者の詳細情報を即座に確認できるため、医師は適切な診療を迅速に行えるようになった。
算定機能により診療費の計算が自動化され、会計処理もスムーズに完結する。『CLIUS』の統合システムにより、医療従事者の業務負担が大幅に軽減されると同時に、患者へのサービスの質も向上することが期待される。
『CLIUS患者案内』との相乗効果
DONUTSは2024年7月に新サービス『CLIUS患者案内』を実装した。『CLIUS』の今回のリニューアルと『CLIUS患者案内』を組み合わせることで、診療所における患者の待ち時間をさらに削減し、事務作業の業務効率を一層高めることが可能となる。この相乗効果により、診療所の運営が大きく変革される可能性がある。
『CLIUS』が目指す医療のデジタル化と未来
セキュリティ面での信頼性
『CLIUS』は日本医師会ORCA管理機構と強固な連携を続けており、ORCAMO保健医療福祉情報セキュリティ認定局による「MehISaa認定」を取得している。医療情報の取り扱いに関する高度なセキュリティ基準を満たしており、診療所や患者の信頼を得ている点も注目に値する。
医療DXの推進と患者中心の医療サービス
DONUTSが「PRODUCT FIRST」というミッションに基づいて開発を続ける『CLIUS』は、医療のデジタル化を推進する重要なツールとなっている。効率的なカルテ入力作業を実現し、医師がより多くの時間を患者との対話に充てられるようにすることで、患者中心の医療サービスの実現に貢献している。
自動学習機能やレセプト分析サポートなど、AIを活用した機能も備えており、診療所の時間創出と医療の質の向上を同時に実現しようとしている点は、今後の医療サービスのあり方を示唆しているとも言えるだろう。
医療現場のデジタル化がもたらす可能性と課題
『CLIUS』のような先進的な電子カルテシステムの普及は、医療現場に大きな変革をもたらす可能性がある。業務効率の向上や人為的ミスの低減、患者サービスの向上など、多くのメリットが期待される一方で、新しいシステムへの移行に伴う課題も存在する。
例えば、医療スタッフの教育やシステム導入時のコスト、データ移行の問題などが挙げられる。また、デジタル化が進むことで、face-to-faceのコミュニケーションが減少し、医療の質が低下する可能性を懸念する声もある。
しかし、『CLIUS』のように使いやすさを追求し、医療従事者の負担を軽減しつつ患者サービスの向上を図るシステムの登場は、こうした課題を克服する一つの解決策となり得る。今後、さらなる技術革新と現場のニーズに応じた改良が進むことで、より理想的な医療環境の実現に近づくことが期待される。