電通総研が開発した「脱炭素デジタルダッシュボード」が自治体のゼロカーボンシティ実現を強力に後押し

    部門別エネルギー消費量、排出量の現況推計
    画像:PR TIMES(prtimes.jp/main/html/rd/p/000000277.000043138.html)より
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    自治体の温室効果ガス削減計画策定を総合的に支援する革新的ツール

    電通総研は2024年7月29日、自治体のゼロカーボンシティ実現を支援する「脱炭素デジタルダッシュボード」の提供を開始した。このツールは、温室効果ガスの現況推計から将来推計、さらには脱炭素化に向けた取り組みシナリオのシミュレーションまでを包括的に支援する画期的なシステムだ。

    多くの自治体が2050年までに二酸化炭素の実質排出量ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を表明しているが、具体的な計画策定には多くの課題が存在する。地域特性に合わせた効果的な施策の選定や、複数の取り組みシナリオの比較検討、予算や住民の意見を考慮した実現可能な計画の立案など、自治体にとって大きな負担となっていた。

    電通総研が培ってきた脱炭素コンサルティングのノウハウを結集

    電通総研は、企業向けの脱炭素コンサルティングや自治体向けのDX推進で培ったノウハウを活かし、この課題に取り組んだ。その結果生まれたのが「脱炭素デジタルダッシュボード」だ。このツールは、温室効果ガス排出量の部門・エネルギー源別推計、地域特性に応じた将来推計、多角的な深堀分析を可能にする。

    現況推計から将来シミュレーションまでを一元管理

    「脱炭素デジタルダッシュボード」の特長は、以下の3点に集約される。

    1. 部門別エネルギー消費量と排出量の現況推計
    2. 省エネ・再エネ施策の削減シミュレーションによる将来推計
    3. 深堀分析可能なダッシュボードの構築

    これらの機能により、自治体は地域の特性を考慮しつつ、効果的な温室効果ガス削減計画を策定することが可能となる。

    静岡県藤枝市での実証実験で有効性を確認

    電通総研は既に静岡県藤枝市で「脱炭素デジタルダッシュボード」の現況推計機能を実証している。この実証実験では、排出量の推計から部門・分野・業種別、エネルギー源別にエネルギー消費量や活動量を深堀分析し、藤枝市特有の排出量やエネルギー消費量の特徴を分析することに成功した。

    自治体職員による柔軟な運用も可能に

    「脱炭素デジタルダッシュボード」は、ローコード開発されているため、自治体職員が集計方法の修正を容易に行えるという利点もある。これにより、地域の実情に応じた柔軟な運用が可能となり、より精度の高い計画策定が期待できる。

    今後の展開と期待される効果

    電通総研は今後も「脱炭素デジタルダッシュボード」をはじめとした脱炭素ソリューションの拡充を図る方針だ。自治体の環境基本計画、地方公共団体実行計画、エネルギービジョンの策定支援を通じて、日本全体のゼロカーボン化に貢献していくことが期待される。

    このツールの普及により、各自治体が効率的かつ効果的に脱炭素化計画を策定・実行できるようになれば、日本の温室効果ガス削減目標達成に向けて大きな前進となるだろう。「脱炭素デジタルダッシュボード」は、地域レベルでの気候変動対策を加速させる重要なツールとして、今後ますます注目を集めることが予想される。

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