マイナンバーカードを活用した新しい本人確認システムがクレジットカード業界に革命をもたらしそうだ。株式会社ポラリファイの「Polarify公的個人認証(JPKI)サービス」がイオンフィナンシャルサービス株式会社に採用され、新規クレジットカード申込み時の本人確認プロセスが大きく変わることとなった。この新システムは、不正申込みの防止と顧客の利便性向上を同時に実現する画期的なものとなっている。
マイナンバーカードで実現する安全で簡単な本人確認
イオンフィナンシャルサービスが直面していた課題は、新規クレジットカード申込み時の第三者によるなりすまし申込みなどの不正防止対策だった。従来の方法では、顧客に煩雑な手続きを強いる一方で、完全な不正防止は難しかった。
ポラリファイの新システムは、こうした課題を解決する。顧客はスマートフォンでマイナンバーカードを読み取り、署名用電子証明書のパスワードを入力するだけで本人確認が完了する。この方法により、第三者によるなりすまし申込みを効果的に防ぐことができる。
さらに、本システムの導入により、従来必要だった本人確認書類や顔写真の撮影が不要となった。本人確認が完了すると、マイナンバーカードに記録されている4情報(住所、氏名、生年月日、性別)が自動的に申込フォームに反映される。これにより、顧客の手続きがより簡単になり、利便性が大幅に向上した。
eKYC市場の急成長とPolarify eKYCの優位性
eKYC(電子的本人確認)市場は、コロナ禍における非対面サービスの需要増加やオンライン取引における不正被害の増加を背景に急成長している。ポラリファイの「Polarify eKYC」サービスは、この成長市場において2024年5月時点で累計利用ユーザー数5,000万人を突破するなど、着実に実績を積み重ねている。
Polarify eKYCが多くの事業者に選ばれている理由として、業界最高水準の照合精度を誇る生体認証エンジンの搭載が挙げられる。また、SMBCグループのセキュリティ要件を満たす高い安全性も、導入を検討する企業から高く評価されている。
Polarify eKYCの主な特長
Polarify eKYCは、eKYCベンダーシェアで2021年実績No.1を獲得している。その主な特長として、高精度な生体認証技術による顔画像の自動照合、柔軟なUIカスタマイズによる優れたユーザビリティ、独自の実在性チェックによるなりすまし検知などが挙げられる。
また、公的個人認証やICチップ読取を活用した身元確認方式にも対応しており、運転免許証やマイナンバーカード、在留カードなど、多様な本人確認書類に対応している点も特筆すべき特長だ。
デジタル時代における本人確認の未来
ポラリファイは、マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を活用したサービスの拡大を目指している。今後は、オンライン手続きやログイン時の本人認証、電子文書の改ざん防止など、より幅広い分野での活用が期待される。
また、生体認証を用いたPC・アプリのログオンや入場管理などを行う「Polarify eAuth」サービスの展開も予定されている。これらのサービスにより、より安心で安全なデジタル社会の実現に貢献することが期待されている。
イオンの革新的な取り組みが示す金融サービスの未来
イオンフィナンシャルサービスによる今回のシステム導入は、金融サービスのデジタル化における重要な一歩となる。マイナンバーカードを活用した本人確認システムの導入により、顧客の利便性向上と不正防止の両立を実現した点は、業界内外から高い注目を集めている。
今後、他の金融機関や企業も同様のシステムの導入を検討する可能性が高く、マイナンバーカードを活用した本人確認サービスの普及が加速することが予想される。これにより、より安全で便利な金融サービスの提供が可能となり、顧客満足度の向上につながるであろう。
デジタル技術の進化とともに、本人確認の方法も進化を続けている。今回のイオンフィナンシャルサービスの取り組みは、その最前線を行く事例として、今後の金融サービスの在り方に大きな影響を与えることだろう。安全性と利便性を両立させた新しい本人確認の形が、ここに誕生したと言えるのである。