デノン新世代プリメインアンプPMA-3000NE登場、110年の技術結集で音質飛躍

    PMA-3000NE
    画像:PHILE WEB(www.phileweb.com/review/article/202406/13/5616.html)より
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    デノン伝統のUHC-MOS回路と最新技術の融合

    デノンは2024年9月中旬、新たなフラッグシップモデルとなるプリメインアンプ「PMA-3000NE」を発売する。本機は、デノン創立110周年記念モデル「PMA-A110」をベースに全面的に設計を刷新。デノン伝統のUHC-MOSシングルプッシュプル増幅回路を継承しつつ、最新のアンプ設計技術を取り入れることで、音質性能を大幅に向上させた。

    希望小売価格は528,000円(税込)だ。外観は従来モデルと大きな違いはないものの、内部設計は一新されており、回路構成から筐体内部のレイアウト、配線方式に至るまで徹底的な見直しが行われている。

    繊細さと力強さを両立する増幅回路

    PMA-3000NEの核心となるのが、UHC-MOS FETを採用したシングルプッシュプル増幅回路だ。この回路は、微小信号から大電流までリニアに対応でき、素子のバラつきによる音の濁りを排除。1ペアという最小単位の素子で増幅することで、楽音の繊細な表情を鮮明に描き出す。

    さらに本機では、PMA-A110の差動2段アンプから、より安定性に優れた差動1段アンプ回路へと進化。様々な特性のスピーカーをより正確に駆動できるようになった。

    高品位パーツの採用とサウンドマスターによる入念なチューニング

    PMA-3000NEの音質向上に大きく貢献しているのが、厳選された高品位パーツの採用だ。デノンのサウンドマスターである山内慎一氏が、音質に関わるパーツを徹底的に吟味。アナログオーディオ回路には最高級のPPSC-Xコンデンサーを始め、グレードアップされたオペアンプ、カーボン被膜抵抗、メルフ抵抗、導電性高分子コンデンサーなどを随所に採用している。

    デジタル回路の隔離とノイズ対策

    本機はUSB-DAC機能を搭載し、11.2 MHzまでのDSDや384 kHz/32 bitまでのPCM信号の入力に対応。しかし、デジタル回路とアナログ回路の共存によるノイズ問題に対しては、特別な対策を講じている。

    デジタルオーディオ基板をスチール製トランスベース下部の専用スペースに隔離し、高速デジタルアイソレーター回路を搭載することで、PCからの高周波ノイズを遮断。さらに、アナログ入力信号再生時にはデジタル回路の電源を完全にオフにできる「アナログモード」を搭載し、純粋なアナログアンプとしての性能を引き出している。

    フォノイコライザーの進化とデジタル信号処理技術

    PMA-3000NEは、MM/MC両方のカートリッジに対応するフォノイコライザーを搭載。切替にリレーを採用することで、基板上の余分な信号ラインを排除し、繊細なアナログ信号をより純粋に増幅できるようになった。

    また、デジタル入力されたPCM信号は、デノン独自の「Ultra AL32 Processing」によって処理される。この技術は、デジタル化される前の本来のアナログ波形に可能な限り近づけることを目指している。

    東京インターナショナルオーディオショウでのお披露目

    デノンは、2024年7月26日から28日にかけて開催される「2024東京インターナショナルオーディオショウ」にPMA-3000NEを出展する予定だ。来場者は実機の展示や製品紹介を通じて、その革新的な性能を体感できる。

    デノンの歴史と革新性

    1910年に創業したデノンは、日本初のレコード・蓄音器製造会社として始まり、以来110年以上にわたって音響技術の革新を牽引してきた。世界初のデジタルPCMレコーダーの実用化など、その技術力と開発力は世界的に高い評価を得ている。

    PMA-3000NEは、そんなデノンの歴史と革新性が結実した製品と言える。110年の音響技術の集大成として、オーディオファンの期待に応えるだけでなく、新たな音の世界を切り開く可能性を秘めている。

    オーディオ愛好家にとって、PMA-3000NEの登場は単なる新製品の発売以上の意味を持つかもしれない。デノンの伝統と最新技術の融合が生み出す音の魅力に、多くのリスナーが心を奪われることだろう。

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