NTT東西が電話帳と104番案内を2026年3月末で廃止へ、デジタル化と環境配慮で大転換

    電話帳
    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001000.000098811.html)より

    2024年7月19日、NTT東日本とNTT西日本は、長年提供してきた電話帳(タウンページ等)および番号案内(104番)サービスを2026年3月末をもって終了すると発表した。この決定は、デジタル時代における情報アクセス方法の変化と環境負荷低減への取り組みを反映している。

    目次

    デジタル化に伴うサービス利用の激減

    スマートフォンの普及により、電話番号の検索方法が多様化した結果、従来の電話帳や番号案内の利用が大幅に減少している。タウンページへの広告掲載数も同様に減少傾向にあり、これらのサービスの存続が困難になってきた。

    NTTグループはこの状況を踏まえ、紙資源の消費削減と環境負荷の低減を実現する観点から、これらのサービスの提供終了を決定した。

    一部サービスは継続

    サービス終了後も、目の不自由な方々向けの「点字電話帳」および障がいのある方を対象とした無料電話番号案内「ふれあい案内」については、継続して提供される。これらのサービスは、情報アクセシビリティの観点から重要な役割を果たしており、NTTグループの社会的責任の一環として維持される。

    ふれあい案内の変更点

    ふれあい案内については、サービス提供時間帯の見直しが予定されている。具体的な利用方法等については、登録済みの利用者に対して別途案内が行われる予定だ。

    最終版タウンページの提供形態

    環境負荷低減の観点から、最終版のタウンページは以下の2種類で提供される:

    1. タウンページWEB版:すべての職種を掲載し、インターネット上で閲覧可能
    2. タウンページ冊子版:緊急性の高い職種や利用頻度の高い177職種を中心に掲載した紙冊子

    タウンページ冊子版の配布を希望する場合は、NTTタウンページ社に連絡する必要がある。ただし、発行部数には限りがあるため、早めの申し込みが推奨される。

    サービス終了後の電話番号検索手段

    電話帳および番号案内サービスの終了後は、NTTタウンページ社が提供する「iタウンページ」がメインの電話番号検索手段となる。iタウンページは、単なる電話番号検索サービスを超えて、地域の総合的なライフポータルとしての機能を持つよう、2024年秋に大幅なリニューアルが予定されている。

    iタウンページの進化

    iタウンページは、生活者が安心して地域の事業者を選択できるポータルサービスとしての機能を強化する。また、地域社会の課題解決に資する情報基盤(iタウンページデータベース)としての役割も担う。これにより、デジタル時代における地域情報プラットフォームとしての価値を高めることが期待される。

    今後の展望と課題

    電話帳と番号案内サービスの終了は、デジタル化による社会変革の一端を示している。一方で、高齢者やデジタルデバイスに不慣れな人々にとっては、情報アクセスの障壁となる可能性がある。

    NTTグループはこの変化に対応するため、iタウンページの機能強化や使いやすさの向上に注力する必要があるだろう。また、デジタルリテラシー向上のための支援やアクセシビリティに配慮したサービス設計が求められる。

    この変革は、情報提供の形態が紙媒体からデジタルへと移行する大きな転換点となる。環境負荷の低減とデジタル化の推進というバランスを取りながら、誰もが簡単に必要な情報にアクセスできる社会の実現に向けて、NTTグループの取り組みが注目される。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    THEIT公式アカウント。日々の主要なITニュースを最速でお届けします。

    目次