株式会社HRBrainは、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社と共同でCSV連携プラットフォームを開発し、提供を開始した。この新しいプラットフォームは、HR領域における複数サービス間のデータ連携を自動化し、業務効率を大幅に向上させることを目指している。
HR業界が直面するデータ連携の課題
近年、HR領域では様々なサービスが導入されており、それに伴いデータ連携の重要性が増している。しかし、多くの企業では依然としてデータ連携を手作業で行っており、担当者の業務負荷が膨大になっているという課題があった。
HRBrainはこの問題に着目し、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社の「Qanat Universe」と共同でCSV連携プラットフォームの開発に取り組んだ。この新しいプラットフォームは、手作業によるデータ連携を自動化することで、担当者の業務負荷を大幅に削減し、業務効率化を実現することが期待されている。
CSV連携プラットフォームの革新的機能
新たに開発されたCSV連携プラットフォームは、HR業務に革新をもたらす多くの機能を備えている。
CSVデータの自動処理
このプラットフォームの最大の特徴は、CSVデータの出力・取込み作業を効率化する点にある。連携用フォルダに配置されたCSVファイルの取込みが自動で行われ、出力時も連携用フォルダにファイルが自動生成される。この機能により、従来手作業で行っていたデータ連携作業の業務工数が大幅に削減されると見込まれる。
データの高度な操作機能
本プラットフォームは、単なるデータの自動取り込みにとどまらず、高度なデータ操作機能も提供している。柔軟なマッピング処理により、システム内で異なるデータを組み合わせたり、特定の文字列を他の文字に変換したりすることが可能だ。この機能により、複雑なデータ処理も簡単に行えるようになり、HR担当者の作業効率が飛躍的に向上すると期待される。
直感的な操作性
HRBrainの画面から、ユーザー自身でマッピング設定ができる点も大きな特徴だ。難しい操作は不要で、誰でも簡単に設定できるよう設計されている。この直感的な操作性により、IT専門知識を持たない人事担当者でも容易にシステムを活用できるようになる。
幅広い情報連携
従業員の名前や役職などの基本情報だけでなく、組織の構造や部門情報も簡単に連携できる機能を備えている。これにより、企業全体のデータ管理がよりスムーズになり、人事戦略の立案や意思決定に必要な情報を迅速に取得できるようになると考えられる。
技術基盤としての「Qanat Universe」
今回の共同開発の基盤となったのが、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社が提供する「Qanat Universe」だ。このクラウド連携プラットフォームは、社内システムやクラウドサービス、PCやモバイル、さらにはIoTデバイスなど、様々なシステムやサービスをシームレスにつなぐことができる。
「Qanat Universe」の活用により、ユーザーは接続先を意識することなく、迅速かつ低コストでシステム連携と業務自動化を実現できる。そのため、多くのソフトウェアメーカーが自社製品と他社サービスをつなぐ連携プラットフォームとして採用している。
HRBrainの展望と今後の戦略
HRBrainは、今回のCSV連携プラットフォームの開発を通じて、HR領域におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)のさらなる促進を目指している。同社は「HRBrain」シリーズとして、タレントマネジメント、人事評価、360度評価、組織診断サーベイ、パルスサーベイ、ストレスチェック、労務管理、社内向けチャットボットなど、8つのサービスを展開している。
これらのサービスを通じて、人事業務の効率化から人材データの一元管理・活用までをワンストップで実現するクラウドサービスを提供している。今後も、人的資本経営やESG経営などの新たな経営課題に対応できるよう、サービスの拡充を進めていく方針だ。
HR業界は今、大きな転換期を迎えている。データ駆動型の意思決定や、従業員エクスペリエンスの向上など、新たな課題に直面している中で、HRBrainとJBアドバンスト・テクノロジーによる今回の共同開発は、業界に新たな風を吹き込む可能性を秘めている。今後の展開が注目される。