TikTokが日本のアプリダウンロード数首位に躍進、ピッコマは消費支出額で圧倒的な強さを見せる

    モバイルアプリトレンドレポート 2024
    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000135.000011908.html)より
    目次

    日本のモバイルアプリ市場、2024年の最新トレンドが明らかに

    AdjustとSensor Towerが共同で発表した「モバイルアプリトレンドレポート 2024:日本版」から、日本のモバイルアプリ市場における重要なトレンドと成長機会が浮き彫りになった。2022年1月から2024年3月までのデータを分析したこのレポートは、ゲーム、ファイナンス、Eコマース、PC/コンソール、コネクテッドTV(CTV)のカテゴリーに焦点を当て、アプリのパフォーマンスとユーザーの行動を詳細に調査している。

    ダウンロード数と消費支出額のトップアプリが明らかに

    2024年、日本のアプリ市場において最もダウンロードされたアプリは「TikTok」となった。前年の調査では10位だったTikTokが首位に躍進したことは、短尺動画コンテンツの人気が依然として高いことを示している。一方、消費支出額のトップに輝いたのは電子マンガ・ノベルサービスの「piccoma ピッコマ」だ。

    ゲームアプリの復活とユーザー滞在時間の増加

    ゲームアプリ市場は2024年第1四半期に大きな回復を見せた。インストール数は前四半期比18%増を記録し、低迷が続いていた2022年、2023年からの反転を果たした。特筆すべきは、アーケードゲーム、カードゲーム、シミュレーションゲームのサブカテゴリーが示した驚異的な成長だ。

    ユーザーの平均アプリ内滞在時間も増加傾向にあり、2022年の26.37分から2024年には27.37分に伸びた。中でもシミュレーションゲームは40.56分と大幅な増加を見せ、ゲームの魅力と収益性の高さを裏付ける結果となっている。

    ファイナンスアプリの急成長とLTVの高さ

    ファイナンスアプリ市場も著しい成長を遂げている。2023年のインストール数は前年比27%増、セッション数は22%増を記録し、日本のユーザーのファイナンスアプリへの関心とエンゲージメントの高まりを示している。

    特筆すべきは、日本のファイナンスアプリのLTV(顧客生涯価値)の高さだ。インストール当日のLTVは3.23ドルと、世界の中央値のほぼ2倍に達している。この傾向は継続し、インストール後1ヶ月の時点で日本ユーザーの累積LTVは14.16ドルまで上昇し、世界の中央値7.88ドルを大きく上回っている。

    消費支出額の急増

    ファイナンスアプリへの消費支出額も急増している。2023年には3,370万ドルを達成し、前年比38%増となった。さらに、2024年第1四半期には前四半期比53%増と、過去最大の伸びを記録している。

    Eコマースアプリの堅調な成長と高いLTV

    Eコマースアプリも着実な成長を続けている。セッション数は2022年から2023年にかけて4%増加し、2024年第1四半期にはさらに2%の伸びを見せた。注目すべきは、アプリインストール後30日目の継続率が9%増加したことだ。

    日本のEコマースアプリユーザーの高い価値

    日本のEコマースアプリユーザーは、世界平均を上回るLTVを示している。インストール初日のLTVは2.96ドルと、世界の中央値2.24ドルや米国の中央値1.73ドルを上回っている。この差はインストール後の時間経過とともに拡大し、1ヶ月後には日本が9.67ドルと、世界中央値5.47ドルの約2倍、米国の4.81ドルの2倍以上に達している。

    コネクテッドTVの急成長

    コネクテッドTV市場も急速に拡大している。調査対象企業の24%が、2024年までにコネクテッドTVによる収益が全体の60〜80%を占めると予測している。この成長はテレビとデジタルメディアの融合が進む中で、新たな広告機会を生み出す可能性を示唆している。

    日本のアプリ市場の未来

    Sensor Tower APACマーケティング担当シニアディレクターのナン・ルー氏は、日本のアプリ業界がイノベーションとユーザーエンゲージメントでリードしていると評価している。アプリの利用率と消費支出額が増加する中、最新の分析環境とデータインサイトの活用が市場の可能性を最大限に引き出す鍵になると指摘している。

    Adjust日本ゼネラルマネージャーの佐々直紀氏も、日本のアプリ市場が従来の強みと最先端のテクノロジーを組み合わせ、モバイルエンゲージメントの未来を体現していると述べている。マーケティングの成功には、アトリビューション、AI、次世代アナリティクスを組み合わせた包括的なアプローチが不可欠だとしている。

    今後の展望

    日本のモバイルアプリ市場は、多様なカテゴリーで力強い成長を続けている。特にTikTokの首位獲得やピッコマの強さは、エンターテインメント系アプリの人気と収益性の高さを示している。また、ファイナンスやEコマース分野での高いLTVは、日本のユーザーが質の高いサービスに対して積極的に投資する傾向を示唆している。

    今後は、AIやビッグデータ分析を活用した、よりパーソナライズされたユーザー体験の提供が重要になってくると考えられる。また、コネクテッドTVの急成長は、クロスプラットフォームでのマーケティング戦略の重要性を増すだろう。

    アプリ開発者やマーケターは、これらのトレンドを踏まえつつ、ユーザーのニーズに合わせた革新的なサービスの開発と、効果的なマーケティング戦略の立案が求められる。日本のモバイルアプリ市場は、今後もダイナミックな進化を続けると予想される。

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