ChatWidgetGPTからAskDonaへ、GFLOPSが生成AIアシスタントを進化

    AskDona
    画像:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000132991.html)より

    株式会社GFLOPSが生成AIチャットボット「ChatWidgetGPT」を「AskDona」に刷新し、業務遂行可能な生成AIアシスタントの実用化に向けて技術開発を強化すると発表した。この動きは、AIアシスタントの進化と実用化に向けた重要な一歩となる可能性がある。

    目次

    GFLOPSによるサービス名変更の背景

    GFLOPSは、設立当初からRAG(検索拡張生成)技術を活用したアプリケーション開発に注力してきた。ChatWidgetGPTの運用を通じて、RAGのデータ加工技術や回答精度が向上したことが、今回のサービス名変更の主な要因となっている。

    画像・音声・テキストを検索対象とするマルチモーダルRAGや、タスク指向をアドオンしたRAGの技術革新をさらに追求するため、単なる回答生成にとどまらない、幅広いタスクを自律的に遂行できる生成AIアシスタントの実現を目指すことになった。

    RAG技術の重要性

    RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、大規模言語モデル(LLM)による回答生成に外部情報の検索を組み合わせる技術だ。この技術により、LLMが回答を生成する際に、特定の知識や情報源への検索を組み合わせることで、より専門的かつ正確な回答が可能となる。

    GFLOPSは、この技術を活用することで、AIアシスタントの性能を大幅に向上させることができると考えている。RAG技術の進化は、AIアシスタントの実用性を高める上で重要な要素となるだろう。

    AskDonaの特徴と機能

    AskDonaは、LLMに外部情報を与えて回答を生成する検索拡張生成(RAG)技術を組み込んだAIアシスタントだ。生成AIが回答する情報元をコントロールできるため、目的や用途に合わせたユニークな生成AIアシスタントとして日々の業務に活用できる点が特徴となっている。

    AskDonaの仕組み

    AskDonaは、RAG技術に加えてカスタムツールを統合することで、高度な情報検索と生成を実現している。外部データを検索させるだけでなく、タスクを実行できるカスタムツールを連携させることが可能だ。外部データとカスタムツールを同時にLLMに送信することで、ユーザーの質問に対する適切な回答やタスクの実行をより柔軟に行うことができる。

    AskDonaの主要機能

    AskDonaの主要機能には、知識の拡張、豊富なコミュニケーションチャネル、タスク指向の3つがある。

    知識の拡張機能では、ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)に独自の情報を与えることで、AskDonaの知識レベルを最大化し、専門性の高いユニークな回答を生成できる。

    コミュニケーションチャネルについては、SMS、SNS、ビジネスチャット、ウェブなど複数のチャネルから同時接続が可能だ。これにより、ユーザーはAskDonaとシームレスにコミュニケーションを取ることができる。

    タスク指向の機能では、質問に対する回答生成だけでなく、連携されたアプリケーションのタスクを実行することができる。これにより、AskDonaが請け負える業務の幅が大幅に増加する。

    AskDonaの活用事例

    AskDonaは、様々な業種や業態で活用できる可能性を秘めている。以下に、いくつかの具体的な活用事例を紹介する。

    社内ナレッジ検索の効率化

    AskDonaは、従業員からの総務、経理、人事への社内問い合わせ対応を効率的に処理することができる。社内規定やイントラネットの情報をAskDonaに学習させることで、適切な回答を生成し、情報の場所を共有することが可能だ。

    Slack、Chatwork、Microsoft Teamsなどのビジネスチャットツールと連携することで、社員はいつでも自分の業務で使用しているツールからAskDonaに質問することができる。これにより、社内の情報共有が促進され、業務効率の向上が期待できる。

    顧客サポートの強化

    AskDonaは、既存顧客のアフターケアやサポート業務にも適している。マニュアルやユーザーガイド、過去の問い合わせやよくある質問(FAQ)をAskDonaに学習させることで、複数の顧客からの同時問い合わせにも個別対応することが可能となる。

    また、問い合わせフォームをカスタムツールとして連携することで、目的や用途に合わせて有人対応への転送や問い合わせ予約のサジェストなどのタスクを実行することができる。これにより、顧客サポートの質と効率を同時に向上させることが可能だ。

    SMSを活用した顧客コミュニケーション

    AskDonaは、SMS(ショートメッセージ)での双方向コミュニケーションにも対応している。催促業務など、顧客の電話番号にSMSでメッセージを送信する際、一方的な送信ではなく、対象者の疑問や状況を把握したいというニーズに応えることができる。

    AskDonaの双方向コミュニケーション機能により、顧客からの送信メッセージに対して自動で応答することが可能だ。また、会話の履歴も可視化されるため、顧客の相談内容や困りごとを安全なコミュニケーション手法により把握することができる。

    SNSを活用したマーケティング強化

    AskDonaは、見込み顧客とのエンゲージメントを強化するマーケティングのアシスタントとしても活用できる。LINE公式アカウントなどのSNSで顧客とのコミュニケーションを重視している企業にとって、キャンペーン情報やアンケート情報の配信だけでなく、ユーザーとインタラクティブに会話しながらサービスについて理解を深めるコミュニケーションを実現することができる。

    AskDonaは会話の中から顧客の趣向を理解することができるため、適切なタイミングで適切なサービスを提供することが可能だ。これにより、顧客満足度の向上やセールスの効率化が期待できる。

    理化学研究所での導入事例

    GFLOPSの生成AIアシスタント「AskDona」は、既に理化学研究所(理研)の富岳サポートサイトに導入されている。この事例は、AskDonaの実用性と有効性を示す重要な実績となっている。

    理研では、スーパーコンピューター「富岳」の利用者からの質問に対して、AskDonaがリアルタイムにチャット形式で迅速かつ正確な回答を提供している。導入の背景には、利用者が膨大な技術情報から必要な情報を探し出すことの困難さがあった。

    AskDonaは高い回答精度とユーザビリティを持ち、理研の厳しい技術審査をクリアしている。この事例は、AskDonaが高度な技術要件を満たし、実際の業務環境で有効に機能することを示している。

    GFLOPSの今後の展望

    GFLOPSは、AIに任せられる業務はAIに任せる「ヒトとAIのハイブリッドワークスタイル」を提案している。AskDonaの開発と進化は、この vision の実現に向けた重要なステップだといえる。

    今後、GFLOPSはAskDonaの機能をさらに拡張し、より多くの業種や業務での活用を目指すと考えられる。特に、マルチモーダルRAGやタスク指向RAGの技術革新に注力することで、AIアシスタントの可能性を広げていくことが予想される。

    また、AskDonaの導入事例を積み重ねることで、様々な業界や企業規模での有効性を実証し、AIアシスタントの普及を加速させる可能性がある。GFLOPSの取り組みは、日本におけるAI活用の促進と、働き方改革の新たな可能性を示唆している。

    以上のように、GFLOPSによるAskDonaの開発と進化は、AIアシスタントの実用化に向けた重要な一歩となっている。今後の展開に注目が集まるところだ。

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