富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が、環境に配慮した新しいA3カラー複合機「ApeosPort-VII C R」シリーズを2024年7月19日から発売する。この新シリーズは、使用済み複合機の部品を最大84%リユースし、新品として品質保証された再生機だ。同社の再生機ラインナップは業界最多の12機種となり、企業の環境への取り組みを支援する。
高度な再生技術で新品同様の品質を実現
「ApeosPort-VII C R」シリーズは、使用済み複合機を徹底的に分解・清掃・検査し、新品同様の品質を実現している。摩耗や消耗した部品は交換し、リユース可能な部品は厳密な基準で選別される。組み立て後の検査工程も新造機と同じであり、品質と信頼性が保証されている。
プラスチック外装カバーの革新的リユース手法
経年変化による黄ばみが課題となるプラスチック製の外装カバーに対し、ブラスト加工という特殊な技術を適用。この加工により、外観の美しさを保ちながらリユース率を大幅に向上させている。
環境負荷低減と使いやすさの両立
新シリーズの導入により、製品ライフサイクル全体でのCO2排出量を新造機と比較して53%削減できる。環境への配慮だけでなく、ユーザビリティの向上にも注力している。
最新のユーザーインターフェース
10.1インチの大型操作パネルを採用し、スマートフォンのような直感的な操作を実現。チルト機能付きで、様々な角度から快適に操作できる。
便利な機能の数々
センタートレイにはお知らせライトを搭載し、出力用紙の取り忘れを防止。また、軽い力で自動的に閉じる用紙トレイを採用し、日常的な使用における快適性を向上させている。
富士フイルムの長期的な環境戦略
富士フイルムグループは1995年から「クローズド・ループ・システム」を構築し、資源循環に取り組んできた。2024年5月には、2030年度までに新規資源投入率を60%以下にする目標を設定。再生複合機の開発はこの目標達成に向けた重要な取り組みの一つだ。
循環型社会実現への貢献
使用済み複合機やトナーカートリッジ、スペアパーツのリユースを拡大。再生プラスチックや再生鉄などの再生材の活用も強化し、資源の有効利用を推進している。
今後の展開と業界への影響
富士フイルムの再生機への取り組みは、オフィス機器業界全体に影響を与える可能性がある。環境配慮型製品の需要が高まる中、他社も同様の取り組みを加速させる可能性がある。
再生機の性能と信頼性が新造機と遜色ないレベルに達していることは、企業のコスト削減と環境負荷低減の両立を可能にする。今後、再生機市場がさらに拡大し、循環型経済の実現に大きく貢献することが期待される。