設備保全総合研究所が開発した設備管理システム「EMLink」に、複数の工場を一元管理できる画期的な新機能が追加された。この機能により、中堅・大手企業の設備管理に革命が起こる可能性がある。
複数工場の統合管理を実現する新機能の概要
設備保全総合研究所が発表した「マルチ・ファクトリーマネジメント」機能は、複数の工場やプラントを持つ企業にとって画期的なソリューションとなる。この機能により、各工場に導入されたEMLinkシステムを完全に連携させ、情報を統合して最適な管理を行うことが可能になる。
新機能の最大の特徴は、EMLinkのアドオンとして基本機能が無償で提供される点だ。そのため、複数工場の統合管理が非常に低コストで実現できる。従来のERPシステムと比較すると、導入コストを大幅に抑えられることが予想される。
統合管理がもたらす具体的なメリット
マルチ・ファクトリーマネジメント機能の導入により、企業は以下のようなメリットを享受できる。
データの一元化による効率的な管理
複数の工場やプラントのデータを一つのダッシュボードで可視化できるようになる。工場ごとの設備状況や保全コストを横断的に比較することが可能になり、コスト効率化の余地を見出しやすくなる。
また、消耗品や共通資材の一元管理も実現する。工場間での資材水準のばらつきを是正し、必要に応じて資材を融通し合うことで、在庫管理の最適化にもつながる。
迅速な意思決定と戦略立案のサポート
各工場のデータを同一の構造で管理することで、将来の設備投資戦略や新設・改造計画の立案をサポートする。また、工場の移転や売却の際のデータ整理も容易になり、デューデリジェンスの際のデータ共有もスムーズに行えるようになる。
今後の展開と期待される効果
設備保全総合研究所は、今後IoT機器との自動連携やデータ統合を進めていく方針だ。さらに、蓄積されたデータをAIで分析し、保全コストの効率化や最適な保守周期の提案などを行う機能の開発も予定している。
EMLink導入による製造業のDX推進
EMLink自体は、プラントや工場向けの設備管理サービスとして、すでに化学・素材系の製造業やタンクターミナルなどで広く導入されている。1工場あたり月額9.8万円という比較的安価な料金設定により、中堅・小規模企業でも導入しやすいソリューションとなっている。
製造現場のプラットフォーム型EAMとしての役割
EMLink導入企業の担当者は、「現場データと経営データをつなぐプラットフォームとして、EMLink導入によりDX推進のペースが格段に上がった」と評価している。製造業におけるDXの裾野を広げ、社会全体でのメンテナンスコスト効率化に貢献することが期待される。
設備保全総合研究所の今後の展望
設備保全総合研究所は、EMLink以外にもプラント・工場向けのDXソリューションを提供している。各種コンサルティング業務や産学連携事業を通じて、製造業の現場におけるDX推進を目指している。
マルチ・ファクトリーマネジメント機能の追加により、EMLink導入企業の効率化がさらに進むことが予想される。また、この機能が製造業全体のDX推進にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目が集まる。