Apple Vision Proの魅力を手軽に体験できる新たな選択肢が登場した。エンプティ株式会社が7月12日、都立大学駅前にApple Vision Proのレンタルスペース「ビジョプロ」をオープンすると発表した。最短1時間4000円からという他社と比べて圧倒的に安価な料金設定で、多くのユーザーにVR/AR体験の機会を提供する。
革新的なレンタルサービスの背景
エンプティ株式会社は2017年から渋谷で無人のレンタルドレス店舗「Empty Dressy」を運営してきた実績がある。その経験を活かし、デジタル技術を駆使することで、Apple Vision Proという高額デバイスを安全かつ手頃な価格でレンタルすることを可能にした。
Apple Vision Proは最低でも60万円という高価格帯の製品だ。そのため、購入を躊躇するユーザーも多い。一方で、長期間のレンタルは必ずしも適していない。エンプティ株式会社の代表は次のように語る。
「Vision Proは数時間使用すれば、その没入感と素晴らしい体験を十分に味わえます。しかし、2日や3日も連続して使い続けるデバイスではありません。そこで私たちは、短時間でも手軽に体験できるサービスを考案しました」
他社と一線を画す料金プラン
現在、多くの企業がApple Vision Proのレンタルサービスを展開している。しかし、その多くが高額で、気軽に利用できる価格帯ではない。例えば、ある企業はオフィス利用で1日30,000円、別の企業は宅配で3日29,700円にデポジット500,000円が必要というように、ハードルが高い。
それに対し、「ビジョプロ」の料金プランは以下の通りだ。
- 1時間:4,000円
- 2時間:6,000円
- 4時間:10,000円
- 1日:20,000円
短時間利用の需要に応える
このプランは、短時間でApple Vision Proを体験したいユーザーのニーズに応えている。1時間4,000円という設定は、コーヒー1杯分程度の追加で最新のVR/AR技術を体験できることを意味する。
エンプティ株式会社の担当者は次のように説明する。
「私たちは、高級ドレスを4,000円でレンタルするサービスを7年間運営してきました。その経験を活かし、デジタル技術を徹底的に活用することで、事業の安全性を保ちながら、この価格設定を実現しました」
利用しやすさを追求したシステム
「ビジョプロ」の利用方法は非常にシンプルだ。ウェブサイトから予約と決済を行い、予約時間になったら店舗に行くだけで良い。入口では、メールで送られてくる4桁の鍵番号を入力することで入室できる。
無人運営による柔軟性
「ビジョプロ」は無人で運営されている。そのため、年中無休で朝8時から夜22時まで営業しており、6時間前まで予約が可能だ。この柔軟性は、様々なスケジュールのユーザーに対応できる大きな利点となっている。
快適な体験環境の提供
「ビジョプロ」は単にApple Vision Proをレンタルするだけでなく、快適な体験環境を提供することにもこだわっている。
専用デスクと椅子
部屋にはコクヨのSAIBIデスクとINSPINEチェアが用意されている。これにより、長時間の使用でも快適に過ごせる環境が整っている。
コンテンツ制作にも対応
部屋の壁は緑色になっており、YouTube等の動画撮影にも適している。これは、Apple Vision Proを使用したコンテンツ制作者にとって魅力的な特徴だ。
今後の展開と業界への影響
「ビジョプロ」のオープンは、VR/AR業界に大きな影響を与える可能性がある。手頃な価格でApple Vision Proを体験できる機会が増えることで、この技術に対する一般ユーザーの理解と関心が高まることが予想される。
また、このサービスの成功次第では、他社も同様のビジネスモデルを採用する可能性がある。結果として、VR/AR技術がより身近なものになり、市場全体の成長につながる可能性もある。
新たな利用方法の発見
短時間のレンタルが可能になったことで、Apple Vision Proの新たな使い方が見つかる可能性もある。例えば、ビジネスプレゼンテーションや短時間の没入型体験など、これまで考えられなかった用途が生まれるかもしれない。
まとめ
エンプティ株式会社が開始する「ビジョプロ」サービスは、高額なApple Vision Proを手軽に体験できる画期的な取り組みだ。最短1時間4,000円という価格設定は、多くのユーザーにとって魅力的なものとなるだろう。
このサービスが成功すれば、VR/AR技術の普及に大きく貢献する可能性がある。今後の展開と、それが業界全体に与える影響に注目が集まっている。