Code for Japanは2024年7月14日、シビックテックプロジェクトやデジタル公共財への新たな資金調達手法として、DigDAOと共同で「マッチングドネーションサイト」をリリースした。この画期的なプラットフォームは、Quadratic Funding(QF)という民主的な資金分配メカニズムを採用し、市民のニーズに基づいた公平かつ効果的な支援を実現する。
デジタル公共財支援の新時代
デジタル公共財は、オープンソースソフトウェアやオープンデータなど、社会課題の解決に寄与するオープンなデジタル制作物を指す。従来、これらのプロジェクトは資金調達に苦心しており、持続可能な運営が大きな課題となっていた。
新しいマッチングドネーションサイトは、この状況を一変させる可能性を秘めている。QFメカニズムを採用することで、小規模なプロジェクトでも多くの支持を得られれば、大規模な資金を調達できるようになる。
Quadratic Fundingの仕組み
QFは、寄付者の数と寄付額に基づいて資金を分配する革新的な手法だ。従来のクラウドファンディングとは異なり、寄付額がそのままプロジェクトに充当されるのではなく、寄付者の数と寄付額を元に、マッチングファンドから追加資金が提供される。
民主的な資金分配の実現
この仕組みにより、少額の寄付であっても多くの支持を得たプロジェクトが大きな資金を獲得できる。日本の「ふるさと納税」に似た形で、寄付者は自身が支持するプロジェクトを選び、さらにDigDAOや他の資金提供者からの追加支援を受けることができる。
プロジェクト募集と今後の展望
現在、マッチングドネーションサイトでは、デジタル公共財を生み出すプロジェクトの募集を行っている。「子育て」「福祉」「まちづくり」「防災」など、地域やコミュニティの社会的課題を解決するプロジェクトが対象となる。
Code for Japan代表理事の関治之氏は、「この試みに多くのプロジェクトと寄付者が参加し、共に未来を創り上げることを期待しています」とコメントしている。
シビックテックの未来
今回のマッチングドネーションサイトの導入は、シビックテックや社会課題解決のための技術開発に新たな道筋を示すものだ。将来的には、行政や財団などのより大規模なマッチングファンドとの連携も視野に入れており、多様なデジタル公共財プロジェクトを支援するエコシステムの構築を目指している。
持続可能な社会貢献モデルへ
この革新的な取り組みは、市民主体のプロジェクトの持続可能性を高め、社会課題の解決に大きく寄与する可能性がある。技術と市民の力を結集し、より良い社会の実現に向けた新たな一歩として、その成果が期待される。