韓国を代表するオンライン旅行プラットフォーム「InterparkTriple」と日本の現地体験型アクティビティ専門予約サイト「ベルトラ」が、訪日韓国人旅行者向けの新たな観光商品開発に乗り出す。両社は戦略的パートナーシップの締結に向けた協議を開始するMOU(覚書)を結んだ。この提携により、急増する韓国からの訪日旅行者に向けて、より魅力的で多様な日本体験を提供することが期待される。
提携の背景と目的
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2023年の韓国からの訪日旅行者数は約500万人に達し、2024年には1000万人を超える見込みだ。この急激な増加を受け、両社は韓国人旅行者のニーズに応える新たな観光商品の開発が急務であると判断した。
ベルトラ株式会社の二木渉代表取締役社長兼CEOは、「韓国からの訪日旅行者はリピーターも多く、地方への直行便も増加したことで地方観光の増加に大きく寄与している」と述べ、InterparkTripleとの提携の意義を強調した。
韓国人旅行者の傾向と新たなニーズ
韓国人旅行者の特徴として、以下のような傾向が見られる。
- リピーターが多く、定番観光地以外の体験を求める傾向
- 地方都市への関心の高まり
- 日本の食文化や伝統文化体験への強い興味
- K-POPイベントやコンサートと組み合わせた旅行プランの需要
これらの傾向を踏まえ、両社は従来の観光ツアーや人気アクティビティに加え、より深い日本文化体験や地方の魅力を発信する新たな商品開発を目指す。
提携の具体的な内容
今回の提携では、以下の4点を中心に協力関係を構築する。
- 日本を訪問する韓国人旅行者向けの共同企画商品開発
- 地方路線を活用した、地方都市における商品開発
- 地方都市におけるK-POPイベントやコンサートの共同企画・開発
- ベルトラが扱う日本国内のツアーやアクティビティ等の商品提供
地方観光の活性化に向けた取り組み
特に注目すべきは、地方観光の活性化に向けた両社の意欲的な姿勢だ。InterparkTripleの航空券予約における韓国国内シェアの強みを活かし、地方路線の開拓と連動した観光商品の開発が期待される。
二木社長は「都市部だけでなく地方の観光開発もさらに強化し、FIT向けの観光ツアーやアクティビティに留まらないスポーツ、食文化、体験宿泊など幅広いジャンルで連携し、旅中市場の総合開発を共同でおこなう」と意気込みを語った。
期待される効果と今後の展望
この提携により、以下のような効果が期待される。
- 韓国人旅行者向けの商品ラインナップの拡充
- 地方都市への観光客誘致による地域経済の活性化
- K-POPイベントと連動した新たな旅行スタイルの創出
- 日韓文化交流の促進
InterparkTriple Corp.のJun Shin氏(Head of Travel business, EVP)は「ツアー&アクティビティとK-POPイベントにおけるベルトラとの戦略的パートナーシップは、我々の成長戦略にとって重要な構成要素となる」と述べ、本提携への期待を表明した。
日韓観光業界への影響
この提携は、単に両社のビジネス拡大にとどまらず、日韓の観光業界全体にも大きな影響を与える可能性がある。韓国最大の旅行プラットフォームと日本の体験予約サイトの連携は、両国の観光産業の相互発展を促進し、新たな観光トレンドを生み出すきっかけとなるかもしれない。
まとめ
InterparkTripleとベルトラの戦略的パートナーシップは、急増する韓国からの訪日旅行者に対応する新たな観光商品開発の可能性を広げる。両社の強みを活かした地方観光の活性化や、K-POPイベントと連動した斬新な旅行プランの提供など、今後の展開が注目される。この提携が、日韓両国の観光産業にどのような変革をもたらすか、業界関係者からの評価も高まっている。