壱番屋がデータ活用基盤を刷新、20年来の課題解決へ
壱番屋は、「カレーハウスCoCo壱番屋」などのブランドで知られる大手外食チェーンだ。同社は長年、データ活用に課題を抱えていた。20年以上前に導入した旧データウェアハウス(DWH)システムは一部の社員しか利用できず、情報共有には手作業での加工が必要だった。そのため、データの鮮度低下や情報量不足といった問題が生じていた。
この状況を打開するため、壱番屋は店舗POSシステムおよび入出荷システムのデータ活用基盤刷新を決断。その導入パートナーとして、DX推進支援フレームワーク「CC-Dash」を提供するクロスキャットが選ばれた。
Oracle製品導入で情報共有が劇的に改善
新たなデータ活用基盤として、壱番屋はOracle Autonomous Data WarehouseとOracle Analytics Cloudを採用した。これにより、全社的なデータ活用ポータルサイトが構築され、情報共有の課題が解決された。
具体的には、以下のような改善が実現した:
- 速報値の提供が可能になった
- 地図やグラフを活用したビジュアルな表現が可能になった
- 専門知識がない社員でも必要な情報にアクセスできるようになった
- PC・タブレットで簡単に売上データを確認できるようになった
- 情報開示の速度が向上した
- Excelを使用しない設計により、作業効率が200%向上した
Oracle製品選定の理由
壱番屋DX推進部の担当者によると、Oracle Autonomous Data Warehouseを選んだ理由は、データをそのまま格納できる点にあるという。これにより、将来的に分析方法の方針が変更になった際も、柔軟に対応できると期待されている。
クロスキャットの技術力と提案力が評価される
壱番屋がクロスキャットを導入パートナーとして選んだ決め手は、Oracle製品の取り扱い能力に加え、技術力と提案力だった。担当者は、クロスキャットのスタッフが壱番屋のニーズやニュアンスを適切に理解し、スムーズに導入作業を進めたことを高く評価している。
今後の展望:高度なデータ分析と活用へ
新システムの導入により、壱番屋は今後さらに高度なデータ活用を目指している。具体的には以下のような計画がある:
- 新しいPOSデータを活用した、これまでにない切り口でのメニュー分析
- 顧客ニーズにマッチした商品展開の検討
- 外部データ(気象データなど)との連携による高度な可視化・分析
- 需要予測への挑戦
これらの取り組みにより、壱番屋は顧客満足度の向上と経営効率の改善を図ることができると期待される。
DX推進支援フレームワーク「CC-Dash」の役割
クロスキャットが提供する「CC-Dash」は、データ活用によって顧客のDX推進を支援するフレームワークだ。DX推進の各フェーズ(知る、つくる、集める、整える、分析する、活かす)における課題に対し、テンプレート化と各種コンサルティングサービスを提供している。
壱番屋の事例は、「CC-Dash」を活用したDX推進の成功例と言える。クロスキャットは今後も、アライアンスによるソリューションサービスの拡充を進め、顧客のDX推進状況に合わせた支援策をワンストップで提供していく方針だ。
このような取り組みは、日本企業のDX推進に大きな影響を与える可能性がある。特に、長年使用してきたレガシーシステムの刷新に悩む企業にとって、壱番屋の事例は参考になるだろう。データ活用の重要性が増す中、クロスキャットのような専門企業との協力が、企業の競争力強化に不可欠になると考えられる。