マネックス証券の投資信託残高が2兆円突破、資産形成支援の成果か

    マネックス証券の投資信託残高
    画像:マネックス証券(https://info.monex.co.jp/news/2024/20240710_02.html)より

    マネックス証券株式会社が2024年7月10日、同社の投資信託残高が2兆円を突破したと発表した。この大きな成長は、同社の継続的な顧客中心のサービス改善と、戦略的なパートナーシップの結果だと考えられる。個人投資家の資産形成を後押しする同社の取り組みが、市場で高い評価を得ていることを示している。

    目次

    急成長の背景にある戦略的施策

    マネックス証券は1999年の創業以来、個人投資家向けの投資信託サービスを提供してきた。近年、同社は顧客の利便性を高めるための施策を次々と打ち出している。2017年には最低購入金額を100円に引き下げ、2019年末にはすべての投資信託をノーロード化した。さらに、2020年1月からは毎日つみたてサービスを開始し、2022年3月にはマネックスカードでの投信つみたてを導入した。

    これらの施策により、顧客の投資へのハードルを大幅に下げることに成功したと言える。特に、少額から始められる点や手数料の削減は、若年層や投資初心者にとって魅力的だったと考えられる。

    マネックスポイントの活用で投資の敷居を下げる

    2022年10月からは、マネックスポイントを投資信託の購入代金として利用できるようになった。このサービスは、投資と日常生活をより密接に結びつける試みとして注目に値する。ポイントを投資に回せることで、顧客は投資をより身近に感じられるようになったと推測される。

    戦略的パートナーシップの効果

    マネックス証券は「アセマネモデル」と呼ばれる、顧客の資産増加に貢献するビジネスモデルを推進している。2024年1月には、NTTドコモおよびイオン銀行との提携を発表した。これらの提携は、マネックス証券の顧客基盤を大幅に拡大する可能性を秘めている。

    特に、ドコモとの提携は注目に値する。2024年7月5日から開始されたdカードでのクレカ積立サービスは、ドコモの巨大な顧客基盤をマネックス証券の投資サービスに結びつける重要な橋渡し役となると予想される。

    多様な投資手段の提供

    マネックス証券は、単に投資信託を提供するだけでなく、顧客のニーズに合わせた多様な投資手段を用意している。

    NISAの活用促進

    NISA(少額投資非課税制度)を通じた投資を促進するため、マネックス証券はNISA口座での取引手数料を無料化している。さらに、マネックスカードを使用した投信つみたてのポイント還元率を最大2.2%に引き上げるなど、積極的な施策を展開している。

    クレカ積立の拡充

    dカードやマネックスカードを使用したクレカ積立サービスは、投資とポイント還元を組み合わせた魅力的なサービスとなっている。特に、dカードGOLDを使用したNISA口座での積立に対する1.1%の還元率は、顧客にとって大きなインセンティブになると考えられる。

    ON COMPASSの展開

    リスク管理を重視したおまかせ運用サービス「ON COMPASS」は、投資初心者にとって心強い選択肢となっている。2024年3月からNISAにも対応したことで、長期的な資産形成を目指す顧客にとってさらに魅力的なサービスとなった。

    今後の展望と課題

    マネックス証券の投資信託残高が2兆円を突破したことは、同社の戦略が成功を収めていることを示している。しかし、今後さらなる成長を遂げるためには、いくつかの課題に取り組む必要があると考えられる。

    まず、顧客教育の強化が挙げられる。投資初心者が増える中、金融リテラシーの向上は重要な課題だ。マネックス証券は、わかりやすい投資教育コンテンツの提供や、セミナーの開催などを通じて、顧客の投資知識向上に努めるべきだろう。

    また、テクノロジーの活用もさらに進める必要がある。AIやビッグデータを活用した投資アドバイスの精度向上や、ユーザーインターフェースの改善など、テクノロジーを駆使してサービスの質を高めていくことが求められる。

    さらに、ESG投資への対応も重要な課題となるだろう。持続可能な社会への関心が高まる中、環境や社会に配慮した投資商品の拡充が必要となる。

    マネックス証券の今後の展開が、日本の個人投資家の裾野を広げ、資産形成文化の醸成にどのように貢献していくのか、注目される。

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