インフォコムが温湿度管理IoT「データウオッチv3」を発表、多業種展開へ機能拡充

    データウオッチv3
    画像:infocom.co.jp(www.infocom.co.jp/ja/news/news2024070501.html)より

    インフォコム株式会社が新たに発表した「データウオッチv3」は、IoTを活用した温湿度管理サービスの最新版だ。従来の食品安全管理分野から、サーバールームや医療分野など幅広い業界での活用を見据えた機能強化が特徴となっている。

    目次

    進化したセンサー対応と管理機能

    データウオッチv3では、温度センサーに加えて湿度センサーにも対応するようになった。この拡張により、食品安全管理だけでなく、サーバールームや倉庫における貴重品の保管、医療分野での医薬品管理など、多岐にわたる用途での活用が期待できる。

    さらに、新たに導入された「タグ機能」により、複数のセンサーをグループ化することが可能になった。この機能は、大規模施設での運用効率を大幅に向上させる。例えば、広大な定温倉庫や冷蔵倉庫において、エリアごとにタグを設定することで、各区画の温度管理を効率的に行うことができる。また、食材の種類ごとにタグを設定すれば、それぞれの温度管理履歴を詳細に分析することも可能だ。

    柔軟な通知システムの実現

    データウオッチv3では、異常発生時の通知機能も大幅に拡張された。従来のバージョンでは、各センサーに設定できる通知先は1つに限られていたが、新版では最大50の通知先を設定できるようになった。この改善により、大規模施設で複数の管理者が存在する場合や、テナントビルなどの複雑な管理体制にも柔軟に対応できるようになった。

    ユーザビリティの向上と導入ハードルの低下

    インフォコムは、データウオッチv3でユーザーインターフェースの刷新も行っている。管理コンソールの画面設計を一新し、温湿度センサーと中心温度センサーの閲覧画面を分離するなど、より直感的で操作性の高いインターフェースを提供している。

    さらに、新たに小規模導入向けのプランも用意された。従来は50センサーからの利用が最小単位だったが、新プランでは5センサーからの申し込みが可能となり、導入コストも既存価格の半額以下に抑えられている。この施策により、1拠点のみの導入や、実証実験・テスト導入を検討する企業にとっても、データウオッチv3の利用がより身近なものとなった。

    多様な業界への展開可能性

    データウオッチv3の機能拡充により、定温倉庫、医療施設、美術館など、多様な温湿度管理ニーズに対応できるようになったとインフォコムは説明している。特にホテル業界や定温倉庫業界においては、人手不足と品質管理の課題解決に向けた導入が進んでいるという。

    期待される効果と今後の展望

    データウオッチv3の導入により、業務の省力化と品質向上が期待できると、インフォコムはその効果をアピールしている。IoT技術を活用した温湿度管理の自動化は、人的ミスの削減や24時間365日の継続的なモニタリングを可能にし、品質管理の精度向上に貢献すると考えられる。

    今後は、AIやビッグデータ解析技術との連携により、さらなる機能強化が行われる可能性がある。例えば、蓄積されたデータを基に最適な温湿度管理パターンを提案したり、異常の予兆を事前に検知したりするなど、より高度な予防保全や品質管理が実現できるかもしれない。

    データウオッチv3の登場は、IoT技術の実用化が加速する中で、温湿度管理の分野においても大きな進展があったことを示している。多様な業界のニーズに応える柔軟性と、導入障壁を下げる努力が、今後のIoT活用をさらに推し進める原動力となることが期待される。

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