アダストリアが開発したスタイル投稿サービス「STAFF BOARD」が外部提供を開始し、ファッション業界に新たな風を吹き込んでいる。この画期的なサービスは、ショップスタッフと顧客をつなぐ新しい架け橋となり、ファッション業界のデジタル化を加速させる可能性を秘めている。
「STAFF BOARD」の革新的な特徴
アダストリアが自社で開発・運用してきた「STAFF BOARD」は、ショップスタッフによる個人スタイリング投稿を可能にするサービスだ。このサービスの特徴は、SNSの感覚で静止画や動画を簡単に投稿できるUI・UX設計にある。さらに、音声を活用した投稿も可能となっており、ファッションに限らず美容や暮らし、お出かけなどのテーマに沿った投稿ができる。
スタッフの参加と売上の驚異的な成長
「STAFF BOARD」の導入から5年間で、スタッフの参加人数は40倍に伸長し、スタッフ経由の売上は10倍まで成長した。この驚異的な成長は、サービスの有効性を如実に示している。スタッフ自身が投稿実績やランキングを簡単に確認できる機能も、モチベーション向上に一役買っているのではないかと考えられる。
外部パートナーへの展開開始
7月からアダストリアは「STAFF BOARD」の外部パートナーへの導入・運用サポートを開始した。この動きは、アダストリアが培ってきたスタイリングコンテンツの運用実績を他社と共有し、業界全体の発展に寄与する意図があると推測される。
ダブルエーによる先駆的導入
最初の外部導入事例として、ダブルエーが運営する「ORiental TRaffic ONLINE STORE」が挙げられる。約30名のショップスタッフによるスタイリング投稿を通じて、顧客接点の増加とスタッフと顧客の関係強化を図る取り組みが始まった。
「STAFF BOARD」導入の決め手
ダブルエーが「STAFF BOARD」の導入を決定した背景には、オンライン上でも販売スタッフの表現力を生かせるツールを求めていたという事情がある。店舗運営で忙しいスタッフのスタイリング投稿負荷を軽減できる利便性や、モチベーション向上につながる評価設定など、アダストリアが構築した仕組みを活用できる点が大きな魅力となった。
期待される効果
ダブルエーの執行役員であるEC事業部・流通部の水谷紀彦部長は、「STAFF BOARD」の活用によってオンライン上の顧客とのコミュニケーションを強化し、販売スタッフの働きがいを向上させることを目指している。この取り組みが成功すれば、オンラインとオフラインの垣根を超えた新しい顧客体験の創出につながる可能性がある。
ファッション業界のデジタル化への影響
「STAFF BOARD」の外部提供開始は、ファッション業界全体のデジタル化を加速させる可能性を秘めている。従来、店頭での接客が中心だったファッション販売の形態が、オンライン上でもパーソナライズされたスタイリング提案を受けられるようになることで、顧客体験の質が大きく向上する可能性がある。
今後の展開と課題
「STAFF BOARD」の外部提供が広がれば、ファッション業界全体でスタッフと顧客のコミュニケーションが活性化し、新たなマーケティング手法や販売戦略が生まれる可能性がある。一方で、個人情報の取り扱いやコンテンツの品質管理など、新たな課題も浮上するかもしれない。これらの課題に対して、業界全体で取り組むことが求められるだろう。
結論
アダストリアの「STAFF BOARD」外部提供開始は、ファッション業界にデジタル革命をもたらす可能性を秘めている。スタッフと顧客のつながりを強化し、オンラインとオフラインの融合を促進するこのサービスは、今後のファッションビジネスの在り方を大きく変える可能性がある。業界関係者は、この動向を注視し、自社のデジタル戦略に活かすことが重要だろう。
