クサカベ電機主催「インターナショナルオーディオフェア in 八王子」が開催、最新機器と往年の名機が共演する音の饗宴

    インターナショナルオーディオフェア in 八王子
    画像:PHILE WEB(www.phileweb.com/news/audio/202407/01/25503.html)より

    八王子市で開催された「インターナショナルオーディオフェア in 八王子」は、オーディオ愛好家たちを魅了する最新技術と伝統が融合したイベントとなった。クサカベ電機が主催するこのフェアは、コロナ禍による中断を経て数年ぶりの開催となり、新たな会場「東京たま未来メッセ」で行われた。約600m2の広大なホールを舞台に、国内外の著名ブランドが最新のオーディオ機器を披露し、来場者を圧倒的な音の世界へと誘った。

    目次

    最新技術と伝統が融合する会場の雰囲気

    東京たま未来メッセの約10mの高い天井が生み出す豊かな響きは、オーディオ機器の性能を最大限に引き出す理想的な環境となった。会場には「国産ブランド系」「輸入商社系」のセクションが設けられ、各種アンプやスピーカーの組み合わせによる試聴スペースが来場者の耳を楽しませた。

    壁際には各メーカーの小ブースが立ち並び、製品の詳細な説明や個別の試聴にも対応。午前中から多くのオーディオファンが訪れ、熱心に新製品の音に耳を傾ける姿が見られた。特に八王子周辺エリアや神奈川県、埼玉県など近隣からの来場者が目立ち、地域のオーディオ文化の根強さを感じさせた。

    クサカベ電機による歴史的蓄音器の展示

    イベントの目玉の一つとなったのが、クサカベ電機が展示した約100年前のイギリス製蓄音器「HMV203」だった。この貴重な機器は、名機クレデンザの基本設計をベースに改良を重ねたモデルで、ホーンの開口部を拡大するなどの独自の工夫が施されている。

    会場では、この歴史的な蓄音器でジャズのSP盤を中心に再生を行い、往年の音楽を現代に蘇らせた。クサカベ電機代表の日下部氏によると、この貴重な機器はすでに売約済みとのことで、オーディオマニアの間で高い関心を集めていることがうかがえる。

    アキュフェーズの新製品が初登場

    今回のフェアで注目を集めたのが、アキュフェーズの出展だ。同社は今年春からクサカベ電機との取引を開始したばかりで、このイベントが初お披露目の場となった。SACDプレーヤー「DP-770」やクラスAパワーアンプ「A-80」など、最新モデルを中心に展示を行った。

    アキュフェーズのスタッフは、「八王子にはオーディオに熱心なお客さんが多く、30年前の弊社の製品をいまでも大切に使ってくださっている方も多くいらっしゃいます」と語り、地域のオーディオファンの熱心さを評価。「今回は新製品を中心に、いまのアキュフェーズの音を知ってもらいたいとシステムを構築しました」と、最新技術による音質の進化を体感してもらう狙いを説明した。

    高級オーディオブランドの競演

    各ブランドが誇る最高峰の製品が一堂に会し、来場者を魅了した。エソテリック、ラックスマン、Bowers&Wilkinsなど、世界的に名高いブランドが最新モデルを披露し、それぞれの音づくりの哲学を体現するシステムを構築した。

    エソテリックとタンノイの贅沢な組み合わせ

    エソテリックのブースでは、タンノイのスピーカーと最新のSACDプレーヤー「K-01XD SE」、プリメインアンプ「F-02」、クロックジェネレーター「G-01XD」を組み合わせたシステムを展示。シンプルながら最高峰の音質を追求したセッティングで、来場者の耳を魅了した。

    ラックスマンの中核シリーズと高級モデルの共演

    ラックスマンは自社ブースで中核の「07シリーズ」を中心に構成し、メインの試聴ブースでは「C-10X」「M-10X」のセパレートアンプも体験できるようにセット。幅広い製品ラインナップを通じて、同社の音作りの哲学を体感できる展示となった。

    B&Wのフラグシップモデルが圧巻の存在感

    ディーアンドエムホールディングスは、Bowers&Wilkinsのフラグシップスピーカー「801 D4 Signature」を中心に据えた本格システムを展開。CLASSEのプリ&パワーアンプと組み合わせ、圧倒的な音場再現能力を披露した。

    担当者によると、4月の800シリーズ値上げ前の「駆け込み需要」が予想以上の盛り上がりを見せたという。現在は落ち着きを取り戻しつつあるものの、リファレンススピーカーとしての評価は揺るぎなく、根強い人気を維持しているとのことだ。

    注目の新製品と輸入モデル

    今回のフェアでは、国内外の新製品や話題の輸入モデルも多数展示され、来場者の注目を集めた。特に、限定モデルや新進気鋭のブランドの製品は、オーディオファンの興味を強く惹きつけていた。

    MoFi Electronicsとフェンダーのコラボレーション

    輸入商社のディバインは、MoFi Electronicsとフェンダーがコラボしたアナログプレーヤー「Fender PrecisionDeck」を展示。フェンダーらしい黒とオレンジのグラデーションが美しいキャビネットが目を引く。全世界1000台限定の希少モデルとあって、多くの来場者の注目を集めていた。

    REVIVAL AUDIOの新進気鋭スピーカー

    エレクトリのブースでは、新たに取り扱いを開始したREVIVAL AUDIOのスピーカー「SPRINT 3」を展示。Western Electricの真空管アンプ「91E」との組み合わせで、クラシカルな外観と最新の音質を両立させた魅力的なシステムを提案していた。

    担当者は「REVIVAL AUDIOはデザイン性も優れ、比較的購入しやすいモデルということで注目も高まっています」と語り、まもなく大型の新製品も国内で登場予定であることを示唆した。

    JBLの最新アクティブスピーカーがデモンストレーション

    JBLは、最新のアクティブスピーカー「4329P」のデモンストレーションを実施し、来場者を驚かせた。このモデルは、伝統的なJBLのデザインを踏襲しつつ、内部には最新のネットワーク機構とアンプを搭載した革新的な製品だ。

    広大な会場空間にもかかわらず、4329Pは音がストレートに届くエネルギー感あふれるサウンドを披露。ストラヴィンスキーなどの大型交響曲も余裕を持って再生し、そのパワフルな音響に多くの来場者が驚きの表情を見せていた。電源ケーブルを接続するだけでストリーミングを含む多様な音源を楽しめる利便性も、現代のライフスタイルに合致した特徴として高く評価されていた。

    オーディオの過去と未来を体感できるイベントに

    クサカベ電機主催の「インターナショナルオーディオフェア in 八王子」は、100年前の蓄音器から最新のネットワークオーディオまで、幅広い時代と技術を網羅したイベントとなった。オーディオ機器の進化を一堂に会して体験できる貴重な機会として、多くの来場者の心に残る2日間となったと推察される。

    今回のフェアを通じて、オーディオ技術の進化と伝統の融合、そして地域に根付いたオーディオ文化の強さを改めて実感することができた。こうしたイベントが、新たなオーディオファンの発掘や、業界全体の活性化につながることを期待したい。オーディオの魅力を再確認し、その未来を垣間見ることができた意義深いフェアであったと言えるだろう。

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