カーオーディオの世界で、音質向上を求めるドライバーたちの間で新たなトレンドが生まれている。特に注目を集めているのが、ブラムの「ライブシリーズ」だ。この製品が、なぜ多くのカーオーディオ愛好家から支持を得ているのか、その理由と共に、カーオーディオのアップグレード方法について詳しく見ていこう。
カーオーディオ改善の第一歩 スピーカー交換が鍵
カーオーディオの音質を向上させたいと考えるドライバーは多いが、どこから手をつければよいか悩む人も少なくない。鳥取県米子市にある有名カーオーディオショップ「ウェイブトゥポート」の山本氏によると、多くの顧客がまずスピーカー交換を希望するという。
スピーカー交換は確かに音質向上の効果的な方法の一つだ。新しいスピーカーを導入することで、音の明瞭さや豊かさが格段に向上する。しかし、単にスピーカーを交換するだけでは、その性能を十分に引き出せないケースもある。
純正のカーオーディオシステムには、あらかじめサウンドチューニング機能が組み込まれていることがある。この設定が新しいスピーカーに適合しない場合、期待通りの音質向上が得られないことがある。
DSPの重要性とスピーカー交換のタイミング
理想的な音質向上を目指すなら、スピーカー交換とDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)の追加を同時に行うことが最も効果的だ。しかし、予算の制約がある場合は、まずスピーカー交換から始めるのも一つの方法だ。
山本氏は「スピーカー交換を行い、次のステップでパワーアンプ内蔵DSPを追加すれば、音が良くなる感動を二度味わえる」と説明する。ただし、一部の特殊なケースでは、スピーカー交換だけでは逆効果になることもある。例えば、中音域が抜けた音になったり、純正スピーカーのインピーダンスが通常と異なる場合だ。
人気のスピーカーモデルと交換費用
カーオーディオ愛好家の間で特に人気が高いのは、5万から6万円程度のスピーカーだ。具体的には、ブラムの「ライブシリーズ」、カロッツェリアの「TS-V173S」、フォーカルの「フラックスEVOシリーズ」などが挙げられる。
これらのスピーカーを取り付ける場合、総費用は税抜きで12万円から15万円程度になる。この費用には、インナーバッフルのワンオフ製作、デッドニング(防音・制振処理)、ケーブルの引き直しなどが含まれる。
完璧な音質向上を目指すための追加施工
スピーカー交換時に音質をさらに向上させるには、デッドニングとケーブル交換も重要だ。デッドニングは、ドア内部の外鉄板の一部と内鉄板の全面に施工することが一般的だ。これにより、不要な振動を抑え、よりクリアな音質を実現できる。
ケーブルに関しては、純正ケーブルを使用するよりも、市販の高品質ケーブルに交換することが推奨される。山本氏は「質の異なるケーブルが混在するのは音質的に不利」と指摘する。全てのケーブルを統一することで、より一貫した音質が得られる。
カーオーディオの音質向上は、単にスピーカーを交換するだけでなく、様々な要素を総合的に考慮する必要がある。プロフェッショナルのアドバイスを受けながら、自分の車に最適なアップグレード方法を見つけることが、理想的な音響環境を作り出す鍵となるだろう。