最新鋭のIntel Core Ultra 9 185Hを搭載したコンパクトパワーハウス
ASUS NUC 14 Pro+は、最新のIntel Core Ultra 9 185Hプロセッサを搭載した高性能ミニPCだ。従来のミニPCの概念を覆す、小型ながら圧倒的なパワーを秘めたマシンとなっている。本体サイズはわずか144mm×112mm×41mmで、重量は620gに抑えられているが、その小さな筐体に驚くべき性能が詰め込まれている。
最近のミニPC市場では、Intel N100やN200、N97といった低価格帯のプロセッサを搭載した製品が主流となっていた。しかし、NUC 14 Pro+はそれらとは一線を画す存在だ。高性能を追求しつつも、コンパクトさを維持するという、一見相反する要素を見事に両立させている。
高級感漂う外観と充実のインターフェース
NUC 14 Pro+の外観は、シルバーのアルミニウム製シャーシを採用しており、高級感あふれる仕上がりとなっている。薄型デザインも特徴的で、同クラスのミニPCと比較しても一段と洗練された印象を与える。
インターフェースも非常に充実している。前面にはUSB Type-CポートとUSB Standard-Aポートを2つずつ配置。背面にはThunderbolt 4対応のUSB Type-Cポートを2つ、USB Standard-Aポートを2つ、HDMIポートを2つ、そして2.5Gイーサネットポートを搭載している。この豊富な接続オプションにより、最大4画面出力にも対応可能だ。
内部へのアクセスと拡張性
NUC 14 Pro+の内部へのアクセスは比較的容易だ。底面のロックを解除し、カバーを取り外すことで内部にアクセスできる。ただし、完全なツールレス設計とは言い切れない面もある。一部のロックはマイナスドライバーのような工具が必要となる場合がある。
内部には、DDR5-5600対応のSO-DIMMメモリスロットが2基、2280サイズのM.2 SSDスロット、そして2242サイズの追加M.2スロットが用意されている。拡張性は十分だが、追加スロットが2242サイズに限定されている点は、やや制約となる可能性がある。
圧倒的な性能を誇るCore Ultra 9 185H
NUC 14 Pro+の心臓部には、第14世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルであるCore Ultra 9 185Hが搭載されている。このCPUは16コア22スレッド(6Pコア+8Eコア+2LP Eコア)という構成を持ち、従来のPコアとEコアに加え、新たに超省電力型のLP Eコアを採用している。
性能面では、2世代前のミドルクラスデスクトップCPUを凌駕する能力を発揮する。内蔵GPUの性能も大幅に向上しており、3Dグラフィックス処理や軽量なゲームプレイにも十分な力を持つ。
メモリとストレージも最新鋭
NUC 14 Pro+は、CPUだけでなくメモリとストレージも最新規格を採用している。DDR5-5600のメモリと、PCIe Gen4 x4接続のNVMe SSDを搭載しており、システム全体で高速な処理を実現している。
CrystalDiskMarkによるSSD速度テストでは、シーケンシャルリードで約7,000MB/s、シーケンシャルライトで約5,000MB/sという驚異的な速度を記録した。これはワークステーションクラスの性能だ。
総合評価と今後の展望
ASUS NUC 14 Pro+は、ミニPC市場に新たな基準を打ち立てた製品だと言える。最新のCore Ultra 9 185Hプロセッサを搭載しながら、驚くほどコンパクトな筐体を実現している。高性能、拡張性、充実したインターフェースのバランスが秀逸だ。
今後、このようなハイエンドミニPCの需要が増加する可能性がある。特に、限られたスペースで高い処理能力を必要とするクリエイティブワークやビジネス用途において、NUC 14 Pro+のようなマシンは大きな魅力となるだろう。
ただし、高性能と小型化の両立は熱設計の観点から課題も多い。ASUSがこの点をどのように克服しているかは、長期的な使用を通じて検証する必要がある。また、価格面でも従来のミニPCとは一線を画すため、コストパフォーマンスの評価は使用目的によって大きく変わる可能性がある。
総じて、ASUS NUC 14 Pro+はミニPC市場に革新をもたらす製品だと評価できる。その存在は、コンパクトながら高性能なコンピューティング環境を求めるユーザーにとって、新たな選択肢を提供するものとなるだろう。