Ryzen Threadripper PRO搭載AI向けワークステーション登場、ドスパラプラスが高性能機を発売

    raytrek Workstation N8630
    画像:ドスパラプラス(https://dosparaplus.com/lineup/hardware/details/14362-0000.html)より
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    次世代AIワークステーションの特徴と性能

    AI開発の最前線で求められる高い計算能力に応えるべく、ドスパラプラスブランドを展開する株式会社サードウェーブが、革新的な高性能ワークステーションを市場に投入した。この新製品群は、AIの研究開発から実用化まで、幅広いニーズに対応する設計となっている。

    特に注目を集めているのが、raytrek Workstation N8630モデルだ。このマシンは、AMDの最新プロセッサであるRyzen Threadripper PRO 7000WXシリーズを採用し、最大96コア/192スレッドという業界最高峰の演算処理能力を実現している。これにより、複雑な機械学習アルゴリズムの処理や大規模なデータセットの分析が、従来よりも遥かに高速に行えるようになった。

    ドスパラプラスブランドを展開する株式会社サードウェーブが、AI開発に特化した高性能ワークステーションを発表した。新製品のraytrek Workstation N8630は、AMDのRyzen Threadripper PRO 7000WXシリーズを採用し、最大96コア/192スレッドという圧倒的な演算能力を誇る。

    GPUには最大4基のNVIDIA RTX 6000 Ada世代を搭載可能で、大規模言語モデル(LLM)やディープラーニングなどの先端AI開発に最適な環境を提供する。また、8K映像編集や科学計算、流体解析、シミュレーションなど、高度な計算能力を要する作業にも対応できる設計となっている。

    革新的な電源設計で利便性向上

    raytrek Workstation N8630の注目すべき特徴として、独自の電源設計が挙げられる。通常、4基のGPUを搭載する場合、200V環境が必要となるが、本製品では2基の電源ユニットを搭載することで、一般的な100V環境での使用を可能にした。この革新的なアプローチにより、高性能なAI開発環境をより身近なものにしている。

    エントリーモデルから高性能モデルまで幅広いラインナップ

    サードウェーブは、多様なニーズに応えるべく、高性能モデルからエントリーレベルまで、幅広いラインナップを用意した。これにより、大規模な研究機関から中小企業、さらには個人開発者まで、様々なユーザーがそれぞれの要求に合わせた最適な開発環境を選択できるようになった。

    各モデルは、使用目的や予算に応じて選択できるよう設計されており、ハイエンドのAI研究から、比較的小規模なプロジェクト、さらにはエッジコンピューティングまで、幅広い用途をカバーしている。この多様性は、AI技術の普及と革新を加速させる重要な要因となるだろう。

    raytrek Workstation X2630の特徴

    エントリーレベルのAI開発者や中小規模のプロジェクト向けに、raytrek Workstation X2630も同時に発表された。Intel Xeon W-2400/W-3400シリーズを採用し、最大56コア/112スレッドの処理能力を持つ。GPUは最大2基のNVIDIA RTX 6000 Ada世代、または1基のGeForce RTX 4000シリーズを搭載可能で、コストパフォーマンスに優れたAI開発環境を提供する。

    コンパクトな高性能ミニPC THIRDWAVE HGシリーズ

    さらに、デスクトップスペースに制限のあるユーザーや、デジタルサイネージ用途に適したTHIRDWAVE HGシリーズも発表された。第14世代Intel Coreプロセッサを搭載し、80×155×155mmという極めてコンパクトなボディに高い性能を詰め込んでいる。最大4画面出力に対応し、VESA対応モニターへの取り付けも可能なため、多様な用途に柔軟に対応できる。

    サードウェーブの独自AI開発への取り組み

    サードウェーブの取り組みは、ハードウェアの提供にとどまらない。同社は、AI技術の発展と普及を促進するため、ソフトウェア面でも独自の開発を進めている。この統合的なアプローチは、日本のAI産業の競争力強化に大きく貢献する可能性を秘めている。

    特に注目されているのが、企業向けの生成AIモデル開発だ。この取り組みは、AI技術の民主化と、企業における効果的な活用を促進する重要な一歩と言える。

    raytrek AI・企業向け生成AIモデルの開発

    サードウェーブは、ハードウェアの開発だけでなく、ソフトウェア面でも革新的な取り組みを行っている。2024年中の提供を目指して開発中の法人向け生成AIモデル「raytrek AI」は、ローカル環境で学習や処理が可能な独自の大規模言語モデル(LLM)だ。

    企業内のデータをセキュアな環境で分析し、新たなビジネス展開に活用できる点が大きな特徴となっている。現在、データ処理部分の開発が完了しており、年内には画像および音声解析機能の実装を予定している。

    AI技術の民主化に向けて

    raytrek AIの開発は、AI技術の民主化と企業における有効活用を促進する重要な一歩と言える。大手テクノロジー企業だけでなく、中小企業や研究機関でも高度なAI技術を利用できるようになることで、イノベーションの加速が期待される。

    今後の展望と市場への影響

    サードウェーブによる一連の新製品とサービスの発表は、日本のAI開発市場に大きな波紋を投げかけている。高性能ワークステーションからコンパクトなミニPC、さらには独自の生成AIモデルまで、幅広いニーズに対応する製品ラインナップは、AI技術の普及と発展に大きく貢献する可能性を秘めている。

    この製品は、大規模な研究機関から中小企業、さらには個人開発者まで、様々なレベルのAI開発者のニーズに応えることができる。特に、raytrek Workstation N8630のような高性能機は、大規模なAIモデルの開発や複雑なシミュレーションを必要とする研究機関にとって、非常に魅力的な選択肢となるだろう。

    一方、THIRDWAVE HGシリーズのようなコンパクトモデルは、オフィスや教育機関などでのAI活用を促進し、幅広い分野でのイノベーションを支援する可能性がある。これらの製品が、日本のAI開発環境の向上と、グローバル市場での競争力強化にどのように寄与するか、今後の動向が注目される。

    サードウェーブの取り組みは、単なる製品開発にとどまらず、日本のAI産業全体の底上げを目指す意欲的な試みと言える。今後、これらの製品やサービスがどのように進化し、AI技術の発展にどのような影響を与えるか、業界関係者のみならず、幅広い分野の専門家たちが注目している。

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