ブレインパッドとベルシステム24は、6月28日に画期的なソーシャルリスニング・UGC活用支援サービスの開始を発表した。このサービスは、企業のマーケティング戦略を根本から変革する可能性を秘めている。両社の専門性を結集し、企画立案から施策の実行、運用までを一括してサポートする包括的なアプローチを取る。
SNS分析ツール「Brandwatch」を核とした革新的サービス
新サービスの中核となるのは、ブレインパッドが提供するSNS分析ツール「Brandwatch」だ。このツールを活用し、ベルシステム24の専門チームが企業に代わってUGC(ユーザー生成コンテンツ)の収集・分析を行う。Brandwatchの特徴は、「X」の全量データをはじめ、「Instagram」「facebook」、さらにはブログやクチコミ、レビューなど、1.7兆件以上のデータを一元的に収集できる点にある。
このように膨大なデータを扱えることで、企業は顧客の声をより正確に、そして幅広く把握することが可能となる。従来の限られたデータソースに基づく分析とは一線を画し、より包括的な市場理解につながると考えられる。
データ収集から分析、活用までの一貫したサポート
本サービスは単なるデータ収集にとどまらず、収集したデータの分析、そしてその活用方法までを一貫してサポートする。具体的には、以下の4つのメニューを展開している。
- ソーシャルリスニング
- UGC活用支援
- 炎上リスク監視
- その他カスタマイズサービス
ソーシャルリスニングがもたらす深い顧客理解
ソーシャルリスニングサービスでは、ブランドや商品に対するユーザーの声、競合他社への反応、さらには市場全体の動向を詳細に分析し、レポートとしてまとめる。このプロセスを通じて、企業は自社の製品やサービスに対する生の声を直接聞くことができ、市場ニーズをより正確に把握することが可能となる。
従来の調査手法では捉えきれなかった微妙なニュアンスや、リアルタイムでの反応を捉えられることは、製品開発やマーケティング戦略の立案において大きな優位性をもたらすと考えられる。
UGC活用支援による新たなマーケティング戦略の展開
UGC活用支援サービスは、ユーザーが自発的に発信するコンテンツを企業のマーケティング活動に活用するための包括的なサポートを提供する。具体的には、UGCの分類・選定から、発信ユーザーへの利用許諾の取得まで、一連のプロセスを代行する。
UGC活用の可能性と課題
UGCを活用することで、企業は顧客との信頼関係を深め、より真摯なブランドイメージを構築することができる。しかし、その一方で、適切なUGCの選定や法的問題の回避など、多くの課題も存在する。本サービスは、これらの課題を専門的知識と経験を持つチームが解決することで、企業がUGCを安全かつ効果的に活用できる環境を整える。
炎上リスク監視サービスによるブランド保護
ソーシャルメディア時代において、企業の評判は一瞬にして傷つく可能性がある。炎上リスク監視サービスは、このようなリスクを事前に察知し、適切な対応を取るためのサポートを提供する。
24時間365日の監視体制を敷くことで、潜在的な問題を早期に発見し、迅速な対応策を講じることが可能となる。これにより、企業は自社のブランド価値を守りつつ、顧客との良好な関係を維持することができる。
今後と課題
ブレインパッドとベルシステム24による新サービスは、デジタルマーケティングの新たな地平を切り開く可能性を秘めている。しかし、その一方で、個人情報保護やデータの倫理的な使用など、解決すべき課題も存在する。
両社は、これらの課題に対して真摯に向き合い、顧客と企業の双方にとって価値あるサービスを提供し続けることが求められる。さらに、AIやマシンラーニングなどの先端技術を積極的に取り入れることで、サービスの精度と効率性をさらに高めていくことも期待される。
デジタル時代のマーケティングにおいて、顧客の声を正確に理解し、それを戦略に反映させることの重要性は今後ますます高まるだろう。ブレインパッドとベルシステム24の新サービスは、その先駆けとなる可能性を秘めており、今後の展開が注目される。