WiiMの最新モデル「WiiM Ultra」が、ネットワークプレーヤー市場に新風を吹き込んでいる。OTOTEN 2024で披露されたこの製品は、従来のネットワークプレーヤーの概念を覆す機能を搭載し、オーディオファンの注目を集めている。
WiiMシステムの特徴と進化
WiiMは、Linkplay社が開発した比較的手頃な価格帯のネットワークプレーヤー製品群だ。単体でも使用可能だが、複数台を組み合わせてネットワーク上で使用することで真価を発揮する。
従来のネットワークプレーヤーと一線を画すWiiMの特徴は、出力だけでなく入力機能も備えている点にある。AirPlay、Chromecast、DLNA、Roon Readyなど、幅広いネットワーク接続機能に加え、Linkplay独自形式でのオーディオデータのブロードキャスト機能を持つ。
この機能により、マルチルームシステムやワイヤレスのステレオペアを簡単に構築できる。異なるサイズや入出力のバリエーションを持つハードウェアで構成されているWiiMシステムだが、核となるOSは共通しているため、ハードウェアの違いを意識せずに操作できる点も魅力だ。
WiiM Ultraが切り開く新たな可能性
「WiiM Ultra」は、WiiMシステムの最新モデルとして注目を集めている。タッチスクリーン対応のこのモデルは、デジタルハブとしての位置づけを持つ。
革新的な入力機能
WiiM Ultraの最大の特徴は、フォノ入力とHDMI入力を備えている点だ。ネットワークプレーヤーでこれほど充実した入力機能を持つ製品は珍しく、特にフォノ入力を搭載した機器は画期的だと言える。
これにより、高音質のターンテーブルを接続し、アナログレコードの音源をネットワーク経由で別の場所で楽しむことが可能になった。オーディオマニアにとって、この機能は非常に魅力的だと考えられる。
高品質なDAC搭載
WiiM UltraはDACとしてESS Technologyの「ES9038Q2M」を採用している。この高性能DACにより、ネットワークプレーヤーとしての機能も十分に満足できるものとなっている。
WiiM Ampがもたらす新たな音楽体験
WiiMシステムのもう一つの注目製品が「WiiM Amp」だ。このモデルは、WiiMシステムにスピーカー駆動用のアンプを搭載している。
パワフルな出力と多彩な接続性
WiiM AmpはTIの「TPA 3255」デジタルアンプを搭載し、60W+60W(8Ω)、120W+120W(4Ω)という高出力を実現している。さらに、サブウーファー出力も備えており、多彩な音楽ジャンルに対応できる柔軟性を持つ。
クリアな音質
試聴した印象では、デジタルアンプならではのクリアでニュートラルな音質が特徴的だ。このため、Hi-Fiシステムから
AVシステムまで、幅広い用途で活用できると考えられる。
WiiMシステムの導入と拡張性
WiiMシステムに興味を持った方には、まず「WiiM Pro」を導入し、単体で使用してみることをお勧めする。その後、「WiiM Mini」などのサブ機を追加していくことで、徐々にシステムを拡張できる。
この段階的な導入方法により、ユーザーは自分のニーズや環境に合わせて、柔軟にシステムを構築していくことが可能だ。
WiiMシステムの将来性
WiiMシステムは、その柔軟性と拡張性により、今後のホームオーディオ市場で重要な位置を占める可能性がある。特に、アナログとデジタルの融合を実現した点は、オーディオ愛好家から高い評価を得ると予想される。
新たな音楽再生の形へ
WiiM UltraとWiiM Ampの登場により、ネットワークオーディオの概念が大きく変わろうとしている。従来のデジタルストリーミングだけでなく、アナログレコードの魅力も取り込んだ新しい音楽再生の形が、私たちの前に広がっている。
オーディオ技術の進化は、音楽愛好家たちに新たな選択肢を提供し続けている。WiiMシステムは、その最前線に立つ製品群として、今後も注目を集めていくだろう。