KDDIの5G Sub6エリアが大幅拡大、東京都内で通信速度が向上

    WI-FI
    目次

    5Gエリアマップの更新で利用可能エリアが明確に

    KDDIは2024年6月28日、5G通信サービスのエリアマップを更新した。この更新により、都内を中心にSub6(3.7GHz/4.0GHz帯)のエリアが拡大し、ユーザーはマップ上で詳細な通信可能エリアを確認できるようになった。エリアマップは、利用者が自身の位置や訪問予定地での通信環境を事前に把握できる重要なツールとなっている。

    通信環境の向上は、モバイルユーザーにとって常に関心の高いトピックだ。今回のKDDIの取り組みは、5G通信の利便性を大きく高めるものとして注目を集めている。

    Sub6周波数帯の特徴と拡大の意義

    Sub6は5G専用に割り当てられた6GHz帯以下の周波数帯を指す。KDDIは6月14日に、Sub6エリアを5月末までに大幅に拡大したと発表した。具体的には、関東地方で2.8倍、全国で1.5倍にまでエリアを拡大している。

    この拡大は、通信速度と安定性の向上に直結する。Sub6は、高周波数帯に比べて広いエリアをカバーできる特性があり、都市部から郊外まで幅広い地域で高速通信を実現する上で重要な役割を果たす。

    技術的課題の克服がエリア拡大を実現

    KDDIがSub6エリアを拡大できた背景には、技術的な課題の克服がある。これまで、衛星通信の周波数帯との干渉を避けるため、Sub6の3.7GHz/4.0GHz帯を使用する基地局の出力を制限し、アンテナの角度を下げる必要があった。

    しかし、2023年度末から状況が変化した。衛星通信事業者が地球局を移転したことで、衛星干渉の条件が緩和されたのだ。この変化により、KDDIはSub6基地局の出力を向上させ、アンテナの向きを最適な角度に調整することが可能になった。

    通信環境改善の具体例

    KDDIは「ザ・プリンス パークタワー東京」(東京・港区)での実行速度を報道陣に公開し、改善の効果を示した。この取り組みは、都市部における5G通信の実用性を示す重要な事例となっている。

    エリアマップの活用方法と今後の展望

    KDDIが公開しているエリアマップは、ユーザーにとって非常に有用なツールとなっている。現在居住している地域や訪問予定の都道府県を選択することで、各エリアでどの通信規格が利用可能かを確認できる。

    さらに、エリアごとに記載された数字は、Sub6エリアの拡大比率を示している。2024年5月末時点で、同年1月末からどの程度拡大したかがわかるようになっている。

    通信業界の専門家としての見解を述べると、この詳細なエリアマップの提供は、ユーザーの通信環境選択に大きな影響を与える可能性がある。特に、テレワークや動画ストリーミングなど、高速通信を必要とするユーザーにとっては、居住地や移動先の選択基準の一つになるかもしれない。

    5G通信の普及が社会に与える影響

    5G通信、特にSub6エリアの拡大は、単に通信速度が向上するだけでなく、社会全体にも大きな影響を与える可能性がある。例えば、遠隔医療や自動運転技術の発展、AR/VR技術の普及など、様々な分野での革新を後押しする可能性がある。

    KDDIの今回の取り組みは、日本の5G通信インフラの充実に向けた重要なステップだと言える。今後、他の通信事業者も含めた競争が活発化することで、さらなる通信環境の向上が期待される。

    ユーザーとしては、こうしたエリアマップを活用し、自身のニーズに合った通信環境を選択することが重要になってくるだろう。5G時代の本格的な幕開けに向け、通信事業者の動向に注目が集まっている。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    THEIT公式アカウント。日々の主要なITニュースを最速でお届けします。

    目次