Figma Slidesが登場、AIとコラボ機能で進化したプレゼンツール、月額3~5ドルで2025年初頭提供開始

    Figma Slides
    画像:Figma(www.figma.com/community)より
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    Figmaが新たなプレゼンテーションツールを発表

    米国のデザインソフトウェア企業Figmaが、年次カンファレンス「Config 2024」において新製品「Figma Slides」を発表した。このツールは、Figmaの強力なデザイン機能を活用しつつ、インタラクティブなプレゼンテーション作成に特化している。現在、無料のベータ版が提供されており、2025年初頭には月額3~5ドルの有料プランの開始が予定されている。

    Figma Slidesは、従来のプレゼンテーションツールの概念を一新し、デザイン重視のアプローチを取り入れている。豊富なテンプレートとスタイリングオプションを提供することで、ユーザーは簡単に専門的な外観のプレゼンテーションを作成できる。さらに、Figmaやユーザーコミュニティが作成したテンプレートを選択できるだけでなく、カラーやテキストスタイルを設定して、プレゼンテーション全体に一貫したブランドイメージを適用することが可能だ。

    デザイン機能の統合がもたらす新たな可能性

    Figma Slidesの特筆すべき点は、Figmaの強力なデザイン機能との統合である。ユーザーは、テキスト、画像、シェイプの挿入、書式設定、テーブル作成といった基本的な機能に加え、デザインモードを活用することができる。このモードをオンにすると、ペンツールやオートレイアウトなど、Figmaの全プロパティにアクセスが可能となる。ただし、この機能はFigmaのフルライセンスユーザーに限定されている。

    プロトタイプの直接挿入機能

    さらに注目すべき機能として、作成中のプロトタイプをそのままプレゼンテーションに挿入できる機能がある。この機能により、デザイナーやプロダクトマネージャーは、アイデアをより効果的に伝えることができるようになる。プロトタイプを直接プレゼンテーションに組み込むことで、製品のビジョンやユーザー体験をより具体的に示すことが可能となり、プレゼンテーションの説得力が大幅に向上するだろう。

    AIアシスタント機能の導入

    Figma Slidesは、最新のAI技術を活用したアシスタント機能も搭載している。この機能により、ユーザーはテキストのトーン調整、リライト、要約といったタスクをAIに指示することができる。さらに、テキストプロンプトからの画像生成や背景除去など、高度な画像処理タスクもAIに任せることが可能だ。

    ただし、AIアシスタント機能の利用には管理者による設定が必要となる。また、一部のAI機能はベータ版の一環として段階的にリリースされる予定だ。このアプローチは、機能の安定性を確保しつつ、ユーザーフィードバックを基に継続的な改善を行うためのものと考えられる。

    コラボレーション機能の充実

    Figma Slidesは、チームでの協働作業を強力にサポートするコラボレーション機能を備えている。複数人によるマルチプレイヤー編集、コメント機能、カーソルチャット、音声チャットなど、リアルタイムでチームと協力できる機能が用意されている。

    これらの機能により、地理的に離れた場所にいるチームメンバーでも、効率的にプレゼンテーションを作成することが可能となる。特に、リモートワークが一般化している現代において、このような機能の重要性は極めて高いと言えるだろう。

    プレゼンテーション機能の強化

    Figma Slidesは、プレゼンテーション時の機能も充実させている。プレゼンターモード、発表者ノート、スライドの画面切り替えアニメーションなど、プレゼンテーションの質を高める機能が搭載されている。また、PDFエクスポート機能も備えており、他のプラットフォームとの互換性も確保されている。

    インタラクティブな要素の追加

    特筆すべきは、オーディエンスからのフィードバックを得られるウィジェット機能だ。選択質問、スタンプ投票、意見の一致度スケールなど、プレゼンテーションの双方向性を向上させる機能が用意されている。これにより、プレゼンターは聴衆の反応をリアルタイムで把握し、プレゼンテーションの内容を柔軟に調整することが可能となる。

    今後の展開と業界への影響

    Figma Slidesの登場は、プレゼンテーションツール市場に大きな変革をもたらす可能性がある。デザイン重視のアプローチ、AIの活用、そして強力なコラボレーション機能の組み合わせは、従来のツールとは一線を画している。

    2025年初頭に予定されている有料プランの開始後、Figma Slidesがどのように市場に受け入れられるかは注目に値する。月額3~5ドルという価格設定は、個人ユーザーから中小企業まで幅広い層にアピールする可能性がある。

    一方で、既存のプレゼンテーションツール提供企業にとっては、Figma Slidesの登場は大きな脅威となるかもしれない。特に、デザイン重視のアプローチや高度なコラボレーション機能は、従来のツールにはない強みとなる可能性が高い。

    結果として、プレゼンテーションツール市場全体が活性化し、ユーザーにとってはより多くの選択肢と、より高機能なツールが提供されることが期待される。Figma Slidesの今後の展開が、業界全体にどのような影響を与えるか、引き続き注目していく必要があるだろう。

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